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SP500、中東情勢の報道でグッと盛り返す【S&P500来週の見通し】FOMC前に7,150〜7,650の攻防 2026年6月12日

 

S&P500(SP500) 見通し2026年6月12日

作成日時 2026年6月12日 10時20分

監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 小野直人

6月15日〜19日のS&P500種株価指数(SP500)は、強気にも弱気にも決め打ちしにくい局面です。中東情勢の合意期待は支援材料ですが、米5月消費者物価指数(CPI)や米5月卸売物価指数(PPI)は高水準にあり、米連邦準備制度理事会(FRB)がどこまでインフレ警戒を強めるかも見逃せません。

大切なのは、「上がるか下がるか」を当てにいくことよりも、どの材料を重く見るかを自分の中で整理しておくことです。ここでは、当社の見通しを一つの視点として示しながら、読者自身がシナリオを組み立てやすい形で整理します。

来週の想定レンジ:7,150~7,650ポイント

SP500|中東情勢のニュースに振り回される展開

6月15日〜19日のSP500は、7,150〜7,650ポイントのレンジ内で方向感を探る展開を想定します。中東情勢を巡っては合意期待が浮上し、原油高への過度な警戒はいったん和らいでいます。ただし、イラン側は「最終合意にはなお至っていない」との立場を示しており、ヘッドライン次第で相場が再び不安定になる可能性はあります。

6月10日には、中東情勢の緊迫化とインフレ指標への警戒から米国株は大きく下落し、SP500(現物)は1.62%安の7,266.99で引けました。その後、6月11日にはトランプ大統領がイランへの攻撃計画を中止し、平和的な合意に向けた進展を示唆したことで、原油先物価格が下落し、投資家心理はやや改善しました。

ただ、同じ中東情勢という材料で相場が上下に振れている点は重要です。これは、投資家心理がまだ安定していないことを示しています。合意期待を素直に好感する見方がある一方で、最終合意に至らなければ再び原油高やリスク回避につながる、警戒感は残っています。

FOMCの注目点|利下げ期待より、インフレ警戒のトーンが重要

来週の焦点は、6月16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)です。新しく就任したケビン・ウォーシュFRB新議長にとって初めてのFOMCとなり、政策金利の判断に加えて、経済・金利見通し(SEP)やドットプロットにも注目が集まります。

原油安はインフレ警戒を和らげる材料ですが、CPIは前年比+4.2%、PPIは前年比+6.5%と高水準です。そのため、「原油安だから利下げに動きやすい」と単純には言いにくく、市場はFRBがインフレ警戒をどこまで強めるかを重視しています。

ウォーシュ新議長が、インフレへの警戒を示しつつも景気に配慮する姿勢を保てば、金利上昇への過度な不安は和らぎ、エヌビディアやマイクロソフトなどの人工知能(AI)・メガテック関連株には買い安心感が出やすくなる一方で、追加利上げの可能性を強く意識させる発言となれば、割高感のある成長株には再び売り圧力がかかる可能性があります。

米消費動向も重要|景気の支えか、株価の重しとなるか

米国の個人消費にも注意が必要です。物価高により、クレジットカードや学生ローンの返済負担は増しており、家計の余力は以前ほど大きくありません。消費の減速は、小売、外食、旅行などのサービス関連企業の業績や1株当たり利益(EPS)の伸びを鈍らせ、SP500の上値を抑える要因になり得ます。

一方で、2026年北米FIFAサッカー・ワールドカップの開催に伴い、旅行、外食、宿泊など一部のサービス消費には下支え効果も期待されます。米消費を「減速一色」と見るのか、「部分的な底堅さが残る」と見るのかで、SP500の見通しは変わってきます。

最後に、スケジュール面では、6月19日が米国の祝日である奴隷解放記念日で米国株式市場が休場となります。このため、株価指数先物やオプションなどの期限が重なる「トリプルウィッチング」関連の取引は、前営業日の6月18日に前倒しで集中することが予想されます。相場の方向性とは別の需給要因で、値動きが荒くなる可能性があるため注意が必要です。

SP500テクニカル分析:25日線が上値抵抗、7,150ポイント割れに注意

SP500 日足/移動平均線/RSIテクニカル分析 2026年6月12日

SP500 日足/25日・75日移動平均線/RSI(14日) 外為どっとコム「CFDネクスト」

SP500CFDの日足チャートでは、25日移動平均線(赤)が7,465ポイント付近、75日移動平均線(青)が7,060ポイント付近にあります。足元の価格は25日移動平均線を下回っており、短期的には上値の重さが意識されやすい形です。一方で、75日移動平均線まではまだ距離があり、中期的な上昇基調が完全に崩れたとまでは言えません。

相対力指数(RSI、14日)は41.5と中立の50を下回っており、買いの勢いはやや弱まっています。ただし、30を下回る売られすぎ圏には入っていないため、指数は目先7,150〜7,650ポイントのレンジ内で方向感を探る展開を想定します。

上値は、まず25日移動平均線の7,465ポイント付近がメドになります。ここを回復できれば、7,650ポイント付近まで戻りを試す可能性がある一方、7,465ポイント付近で上値を抑えられる場合は、7,250ポイント前後、さらに7,150ポイント付近への下押しに注意が必要です。

プロの視点と、ご自身のシナリオの組み立て方

筆者のメインシナリオは、6月15日〜19日のSP500を「中立からやや強気」のレンジ相場として見るものです。中東合意への期待と原油安は支援材料ですが、CPIとPPIの高止まりを踏まえると、FOMCを楽観的に通過できるかはまだ不透明です。

売買戦略としては、7,150〜7,250ポイント付近では反発を確認しながら押し目買いを検討し、7,450〜7,650ポイント付近では利益確定を意識するレンジ対応が一つの考え方になります。ただし、これはあくまで筆者のベースシナリオです。

ご自身でシナリオを組み立てる際は、まず「何を一番重く見るか」を決めておくと判断しやすくなります。中東情勢の改善を重く見るなら、押し目買いを前向きに考えやすくなります。FOMCのタカ派リスクを重く見るなら、上値では慎重になりやすいでしょう。米消費の減速を重く見るなら、戻りの勢いを過信しない見方も必要になります。

特に、7,150ポイントを明確に割り込む場合は、75日移動平均線の7,060ポイント付近まで下値余地が広がります。その場合は、レンジ相場という前提をいったん見直し、ポジション量や損切り水準を再確認することが大切です。

【あなたの見通しは?】

この記事を踏まえて、あなたは6月15日〜19日のSP500をどう見ますか。

  • 中東合意期待と原油安を重視し、7,650ポイント方向への戻りを想定する
  • FOMCやCPI・PPIの高止まりを警戒し、7,465ポイント付近では上値が重いと見る
  • 方向感はまだ出にくく、7,150〜7,650ポイントのレンジ内で様子を見る

来週の重要イベント

  • 6月15日~17日に主要7カ国(G7)首脳会議
  • 6月15日(月)21:30 米6月ニューヨーク連銀製造業景気指数
  • 6月16日(火)21:30 米5月住宅着工件数・建設許可件数
  • 6月17日(水)21:30 米5月小売売上高
  • 6月17日(水)27:00 FOMC声明、経済・金利見通し(SEP)、ドットプロット
  • 6月17日(水)27:30 ウォーシュFRB議長会見
  • 6月18日(木)米トリプルウィッチング(株価指数先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプション取引の決済期日)
  • 6月18日(木)21:30 米新規失業保険申請件数
  • 6月19日(金)奴隷解放記念日で米国株式市場休場

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外為どっとコム総合研究所
小野 直人
株式会社DZHフィナンシャルリサーチでの情報配信業務、上田ハーロー株式会社での調査・市場部門を経て、2021年より外為どっとコム総合研究所へ参画。ニュースベンダーとFX会社で培った「情報の目利き力」と「市場実務の経験」を武器に、個人投資家へ有益な情報を発信している。ドル円などの主要通貨に加え、トルコリラ・メキシコペソなどの新興国通貨、日経平均・NYダウといった株価指数(CFD)まで、幅広い金融商品の分析を得意とするマーケットアナリスト。
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