本日のロンドン為替市場では、ユーロドルやポンドドルなどドルストレート通貨の動きは限定的なものにとどまりそうだ。中東情勢は依然として混沌としているものの、為替市場の反応は徐々に鈍くなっており、積極的な取引を手控える様子見姿勢が強まっている。昨日の東京終盤にドル円が急落するなど、市場の関心が円相場に集中していることも、主要通貨ペアの流動性を抑制する要因となっている。そのなかで、退陣圧力が強まるスターマー英首相の去就を巡る不透明感から、ポンドは独歩安のリスクを抱えた展開が予想される。
英国の政局動向は、ポンドの戻りを抑える主要な要因となっている。地方選の結果を受け、与党・労働党内では80名を超える議員が首相の交代を求める声明に同調し、閣僚の一部からも辞任者が出るなど、政権の基盤が揺らいでいる。スターマー首相は続投の意志を強調しているが、この内部対立が長引けば、政策運営の停滞が意識されやすい。市場では次期政権への期待感よりも、目先の政治的空白や不透明感を嫌気する向きが強く、ポンドは対ドル、対ユーロともに神経質な値動きを余儀なくされそうだ。
欧州経済に目を向けると、昨日発表された5月独ZEW景況感指数は、2023年以来となる3カ月連続のマイナスを記録し、ドイツ経済の先行き不安を浮き彫りにした。本日は1-3月期ユーロ圏GDP改定値などの発表が予定されているが、例年これらの指標に対する市場の反応は限定的であり、ユーロ相場に直接的な影響を及ぼす可能性は低い。ただ、欧州全体の先行きに不透明感が漂うなか、ユーロの上値は重い展開が続く見通しだ。
また、徐々に反応は鈍くなっているとはいえ、相場全体を支える「有事のドル買い」の地合いには注意が必要だ。中東情勢を巡り、トランプ米大統領が対イラン軍事行動を検討しているとの報道が伝わって以降、地政学リスクへの警戒感は解けていない。新たなヘッドラインを待ちながらの慎重な姿勢を強めることになりそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドルは6日高値の1.1797ドル
・ポンドドルは1日高値の1.3658ドル
想定レンジ下限
・ユーロドルは4月30日安値の1.1655ドル
・ポンドドルは4月23日安値の1.3448ドル
(越後)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
