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【見通し】NY為替見通し=ドル円、再び「有事のドル買い」に傾くか 米イラン間の隔たり大きい

ニューヨーク市場のドル円は、再び「有事のドル買い」が意識される場面がありそうだ。 米国時間21日夜(日本時間22日午前)に期限を迎える停戦を前に、米・イラン間の隔たりは依然として大きく、第2回和平協議の開催自体が綱渡りの状況にある。バンス副大統領など米高官がイスラマバード入りを予定している一方、イラン外務省は「米国側との新たな会談に関する予定はない」と言明。イラン高官からも「私たちの要求は一歩も後退したことはないし、これからもしない」と強硬な発言が伝わり、交渉の成否は見通しにくい。

 核心的な争点では双方の溝が深い。米国はホルムズ海峡の即時再開に加え、長期間のウラン濃縮停止と濃縮済みウランの国外移送を求めているのに対し、イランは海峡の管理権限維持と全面的な制裁解除を主張。イラン革命防衛隊は軍事能力や代理勢力支援を協議の対象から外すよう求めており、強硬派が交渉の足を引っ張る構図が続いている。合意の枠組みとなる覚書の締結すら遠い現状では、停戦期限後の展開への警戒が市場でも意識されやすいだろう。

 ホルムズ海峡の通航は20日も事実上停止した状態が続いている。週末に米海軍がオマーン湾でイラン船籍の貨物船を初めて拿捕したことでリスクが拡大し、大半の船主が様子見姿勢に転じた。イランが海峡への接近を「攻撃対象」と警告するなか、エネルギー逼迫の長期化懸念は消えておらず、原油価格の高止まりが有事のドル買いを支える構図だ。しかしながら、協議が急進展してホルムズ再開への期待が高まれば、ドル買いが一気に巻き戻されるリスクも頭に置いておく必要がある。

 その他、本日は3月カナダ消費者物価指数(CPI)が発表予定。イラン情勢に伴うエネルギー価格急騰の価格転嫁が統計に反映され、前年比は2月の1.8%から2.6%程度へ加速するとの予想が優勢だ。ただ、マックレム・カナダ中銀(BOC)総裁はすでに「3月のCPIは上がる」と明言しており、ヘッドラインの上振れ自体は想定内ではある。

 カナダCPIの焦点は、エネルギー主導の上昇がコアや中長期のインフレ期待に波及するかどうか。コアの粘着が確認されれば、カナダ金利先高観の強まりからカナダドル買いが進む局面もありそうだ。


想定レンジ上限
・ドル円、7日高値160.03円
・ドル/カナダドル(CAD)、200日移動平均線1.3819CAD

想定レンジ下限
・ドル円、17日安値157.59円
・ドル/カナダドル、3月12日安値1.3577CAD

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ