10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、3月米コア消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで一時158.94円まで下押しした後、159.35円付近まで値を戻し、アジア時間に付けた日通し高値159.37円に迫った。ユーロドルは、3月米CPIや4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値を受けて1.1739ドルまで上昇した後、1.1714ドル付近まで下押しした。ユーロ円は186.88円まで上昇し、1999年のユーロ導入以来の高値を付けた。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米国とイランの和平協議が決裂したことやトランプ米大統領がホルムズ海峡の全面的な海上封鎖を開始すると表明したことで、160円越えを目指す堅調推移が予想される。
注目ポイントは、本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切るのか否か、15時15分から予定されている植田日銀総裁の第101回信託大会での挨拶で利上げに前向きな発言をするのか否か、などとなる。
先週末11日にパキスタンのイスラマバードで開催された米国とイランによる和平協議では、バンス米副大統領は、21時間に及ぶ協議でイランが米国の提示した核兵器を製造しないことを含む条件をイランが受け入れなかったため、合意に達していないと述べた。
バンス米副大統領は、米代表団はパキスタンを離れると述べているが、イラン政府はいくつかの相違は残っているが交渉は継続する、と述べつつも、再開時期には言及していない。
イランのガリバフ国会議長は、レバノンにおける停戦は交渉開始前に履行されねばならない措置の一つだと述べていたが、11日にもイスラエルがレバノンを攻撃しており、和平協議の難航が懸念されていた。
さらに、トランプ米大統領は、ホルムズ海峡の全面的な海上封鎖を、米国東部時間13日午前10時(日本時間同日午後11時)から実施すると明らかにしており、原油価格上昇による円売り圧力が強まることが予想される。
米国とイランの第1回の和平協議は決裂したものの、停戦期限の4月21日(米国東部時間)に向けて、第2回和平協議の開催を見極めていくことになる。
ウォールストリートジャーナル紙によると、関係者が、2回目の和平協議は数日以内に開催される可能性があり、イランとの外交の扉は依然として開かれている、と述べたとのことである。一方でWSJ紙は、「トランプ米大統領がイランへの限定攻撃を検討」とも報じており、今後の関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
植田日銀総裁のあいさつでは、4月27-28日の日銀金融政策決定会合でのオーバーナイトスワップ市場での利上げ確率が約60%に織り込まれていることで、市場認識に対する修正、一定の示唆を与える可能性に警戒しておきたい。
あいさつの時間は約5分程度と見込まれているが、中東情勢の不透明感や原油価格の高騰が当面の金融政策に及ぼす影響に関し、何か目新しい発言があるかを確認したい。
また、今週は、ワシントンでG-7財務相・中央銀行総裁会議やG20財務相・中央銀行総裁会議の開催が予定されており、片山財務相によるドル高・円安へ牽制発言にも警戒しておきたい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
