4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州市場で「イランの情報機関員が戦争終結に向けた条件協議を提案した」との報道で156.86円まで弱含み。その後157.41円付近まで反発したが上値は重く、156.88円付近まで押し戻される場面も見られた。ユーロドルは、欧州時間に1.1655ドルまで上昇後、1.1617ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、中東有事のドル買いと原油価格上昇による円売りが継続することが見込まれる中、本邦通貨当局による円安阻止の出方に警戒していく展開が予想される。
米国とイスラエルによるイラン空爆は、イランによる中東全域に対する報復攻撃によりサウジアラビアなどが参戦する可能性、さらに、イギリス、フランス、トルコなどの北大西洋条約機構(NATO)加盟国も参戦する可能性が高まっていることで、戦禍の拡大、深刻化が警戒されつつある。
一方で、昨日は「イラン情報省の工作員がCIAに戦闘終結に向け対話の用意があるとシグナルを送った」との報道や「イランはCIAに協議の提案を行っていない」との報道が飛び交っており、本日も関連ヘッドラインには警戒しておきたい。
ドル円が中東有事を受けて157円台まで上昇した局面で、片山財務相は3日と4日に連続して「日米財務相共同声明には為替介入が含まれている」と述べた。
共同声明で介入に言及されている部分は以下の通りとなる。
「両者は、為替市場における介入が検討されるような場合、介入は、過度な変動を伴う、又は無秩序な減価・増価への対応として等しく適切と考えられるとの想定の下、為替レートの過度の変動や無秩序な動きに対処するためのものに留保されるべきことで一致した」
1月23日には、ドル円が158円台で推移していた局面で、ベッセント米財務長官がニューヨーク連邦準備銀行に「レートチェック」を指示して、日本側の要請があれば日米協調の為替介入も視野に入れていた、と報じられており、中東有事を受けたドル全面高でも158円の手前で伸び悩む要因となっている。
ドル円は、中東有事のドル買いと原油価格高騰による円売りで157円台後半まで上昇しているが、要因を確認しておきたい。
・イラン情勢緊迫化やホルムズ海峡封鎖懸念から原油価格が上昇しており、日本の貿易赤字拡大懸念が高まっている。
・原油価格の上昇による日本経済への悪影響懸念が、日銀の利上げ観測を後退させている。
・原油・ガソリン価格の上昇により、高市政権は補助金を復活させざるを得ないことで、財政赤字拡大への警戒感が高まっている。
ドル円の158円台には、日米協調でのドル高・円安抑制を受けて、「ベッセント・シーリング」が構築されたと思われるが、重要なテクニカルポイントも控えている。すなわち、2024年の本邦通貨当局による円買い介入の目安となっていたボリンジャー・バンド+2シグマの158.45円付近、1月14日の高値159.45円を起点とする三角保ち合いの上辺の158.36円などに注目しておきたい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
