本日の欧州タイムでは、イラン情勢を巡る急展開がユーロドルの方向感を左右しそうだ。トランプ米大統領は週末、ホルムズ海峡で立ち往生する船舶を4日から護衛・誘導する「プロジェクト・フリーダム」の開始を表明。これを受けて原油先物相場は早朝に急落するも、その後は前営業日比プラスの水準まで切り返した。和平への期待と軍事的緊張の再燃が入り交じるなか、「有事のドル買い」への警戒は根強い。
今回のトランプ米大統領による護衛表明を、そのまま情勢改善の材料と受け取るのは早計だろう。作戦自体がホルムズ海峡の封鎖を解くものでもないからだ。イランは先週、封鎖解除や戦闘終結を含む14項目の和平案を提示したが、トランプ氏はその内容に否定的な見方を示した。核開発の放棄を求める米国とそれを拒むイランとの隔たりはなお大きい。中東情勢の最悪の展開はひとまず回避できたとしても、楽観的な見方はまだ広がり難いか。
金融政策の不透明感もユーロの方向感をつかみづらくさせている。戦争の長期化はインフレ高進と景気悪化を同時にもたらすリスクがあり、欧州中央銀行(ECB)の判断の幅が狭まっている。前回理事会では据え置きを選びつつ、6月の利上げ検討を視野に入れた。市場は、6月も含めて年内2回の利上げをほぼ確実視し、3回目も織り込みつつある。
本日は複数のECB当局者が相次いで講演に臨む。シムカス・リトアニア中銀総裁から始まり、ビルロワドガロー仏中銀総裁、コッハー・オーストリア中銀総裁、デギンドスECB副総裁が発言予定。また、NY午後にはナーゲル独連銀総裁の発言も見込まれる。エネルギー高を背景に引き締め姿勢が鮮明になれば、ユーロの支えとなり得る。ただ、成長の下振れを強調する発言が増えれば、上値を抑える材料に転じやすいだろう。
なお、英国は本日、アーリーメイバンクホリデーで休場。
想定レンジ上限
・ユーロドル、4月21日高値1.1791ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、4月30日安値1.1655ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
