23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米関税政策を巡る不確実性を背景に米国株相場が軟調に推移し、米長期金利が低下したことなどで、155.04円付近から154.22円付近まで売られた後、154.70円台まで下げ幅を縮めた。ユーロドルは、米長期金利の低下を受けて1.1775ドルから1.1810ドル付近まで下値を切り上げた。
本日の東京外国為替市場は、トランプ米政権の新たなグローバル関税(税率15%)による不透明感がリスク回避の動きを活発化させている中で、今夜のトランプ米大統領による一般教書演説への警戒感から動きづらい展開が予想される。
トランプ米大統領は「関税措置を違憲とする米最高裁の判断を受けて『駆け引き』をしようとする国はこれまでよりもはるかに高い関税に直面する」と警告している。
先週末に米最高裁がトランプ関税を違憲と判断したことで、3月31日から4月2日に予定されている米中首脳会談を控えて、中国政府は、米国の関税措置に反対する立場を改めて表明して関税撤廃を求めた。
ニューヨーク・タイムズ紙は、米中首脳会談でトランプ米大統領の交渉力が制約される可能性があると報じている。
また、欧州議会は23日、米国との通商協定の批准を凍結すると決定した。
さらに、シンガポール政府も、米国による新関税がどのように実施されるか、さらなる説明を求めて米国との協議を続けていくと表明している。
トランプ米政権の新たなグローバル関税の準拠法である「1974年の通商法122条」は、米国大統領に「国際収支の根本的な問題(fundamental international payments problems)」に対処するため関税(※最大15%)を最長150日まで課す権限を与えている。大統領は関税を発動する前に議会の承認や連邦機関による調査を待つ必要がない。
発動要件は、米国の「大規模かつ深刻な」国際収支赤字の是正、国際収支の不均衡の改善、または「差し迫った重大な」ドル下落を防ぐことにあり、これまで一度も適用されたことがない。さらに、米国が「大規模かつ深刻な国際収支赤字」に陥っているのか否かにも疑問が向けられている。
また、延長には議会の承認が必要だが、11月の中間選挙に向けて、民主党や一部共和党議員はトランプ政権の貿易政策に反対しており、承認は容易には得られない可能性が警戒されている。米下院は先日、カナダからの輸入品に対するトランプ関税を終了させる決議案を可決しており、共和党からもトランプ関税に否定的な造反議員が出てきている。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
