本日の欧州時間は引き続き、トランプ政権の国際的な行動が市場の不安を高め、相場をかき乱すことになるだろう。本日は欧州各国の1月購買担当者景気指数(PMI)をはじめ複数の経済指標が発表される。もっとも、ここ最近の為替市場は経済指標に反応がやや鈍くなっており、本日も結果次第では材料視されないだろう。
トランプ大統領は21日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長との会談後、自身のSNS上で「グリーンランドの将来についてNATOと大枠の合意に達した」と述べたことで、市場はドルの買い戻し(欧州通貨の売り)に動いた。しかし、トランプ大統領の発言が変わりやすいようのは周知の事実だ。信用するに値しないということを市場は経験で理解しており、昨日は再びドル売りが進んでいる。
ルッテ氏との会談では「グリーンランドに米国の主権的領土とみなされる土地を設け、そこに追加の軍事基地を建設するのをデンマークが認める案」が話にあがったもよう。ただ、グリーンランド自体がこの案に賛成しているかが不明だ。また、トランプ大統領はグリーンランドの米国領有にこだわっており、欧米関係がこのまま改善すると期待するのも難しい。
グリーンランド問題に見通しがついた場合でも、一度失った信頼を取り戻すのは極めて困難だ。くわえて、今後もトランプ政権の横暴ぶりが続くことが予想され、米国の信頼性の低下に歯止めはかからないのではないか。
FOXニュースのインタビューでトランプ大統領は昨日、「欧州諸国が株や債券などの米国資産を売却した場合、米国は『大きな報復』に踏み切る」と警告した。しかし、自ら招いた米国の信頼性の欠如は深刻であり、多くの投資家が米国から資産を撤退させる、という流れが止まらなくなる可能性がある。米株はこの数日支えられているものの、本格的な米トリプル安が始まった場合は、パニック的な米債売り・ドル売りが進むこともあり得そうだ。
また、これまでイランへの攻撃に否定的だったトランプ大統領だが、日本時間早朝にはイランに大規模部隊を派遣したことを明らかにした。週末にイラン攻撃などを含め、新たな国際的な紛争をトランプ政権が引き起こすリスクもありそうだ。
・想定レンジ上限
ユーロドル:12月24日高値1.1808ドル。その上は昨年9月18日高値1.1848ドル。
・想定レンジ下限
ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.1671ドルや昨日安値1.1670ドル。その下は一目・雲下限1.1637ドルや20日安値1.1633ドル。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
