24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、日本の財政悪化への懸念や米国株相場の上昇を受けた投資家心理改善による円売りで157.19円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の低下などから1.1550ドルまで上昇した。ユーロ円は円先安観を背景に181.27円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、高市トレード第2幕の円売りと本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒していく展開が予想される。
円売り要因としては、高市トレード第2幕での円売り、日本の財政悪化懸念、日中の関係緊迫化を受けた日本の景況感悪化懸念、そして、極東の地政学リスクの高まりなどが挙げられる。高市トレード第1幕では、「サナエノミクス」(責任ある積極財政・金融緩和の継続)への期待感から、自民党総裁就任後の149円台から157円台まで上昇し、第2幕では、総合経済対策21.3兆円を受けた財政悪化懸念による円安の射程を見極めて行くことになる。
中国は日本への渡航自粛勧告や日本産水産物の輸入停止を通達したが、さらにレアアース(希土類)の禁輸措置に踏み切った場合、日本経済が2四半期連続のマイナス成長、リセッション(景気後退)に陥る可能性が高まることで、高市政権の成長戦略の足枷になりうる。
また、ドル円は昨年の神田前財務官が断行したドル売り・円買い介入水準(4/29が160円台、5/1が157円台、7/11が161円台、7/12が159円台)に差し掛かっており、警戒しておきたい。ボラティリティーを介入の目安にしていた神田前財務官は、ボリンジャー・バンド+2シグマを超えたタイミングで円買い介入に踏み切っていたが、三村財務官もボラティリティーに言及しており、本日の+2シグマは157.60円付近にある。
木原官房長官と片山財務相は、悪い円安に関して「憂慮」という表現で警戒感を示している。そして、片山財務相は「日米財務相共同声明に沿って適切に対応する。為替介入も選択肢として考えられる」と述べて、「日米財務相共同声明」に言及しており、これまでとは違う円安牽制発言を行っていた。
また、先週末には、日本成長戦略会議のメンバーである会田氏が、政府はこれまでよりも為替介入を積極的にやり、「円安の副作用を軽減していくということになると思う」と述べており、円買い介入への警戒感を高めている。
高市政権は物価高対策を標榜しているが、植田日銀総裁は先週、円安進行について「輸入物価を押し上げて、それが国内物価に転嫁されていくことで消費者物価の押し上げ要因になる」と述べていた。
10月の日銀金融政策決定会合での「主な意見」では、植田日銀総裁、内田日銀副総裁、氷見野日銀副総裁に続いて、利上げを主張した高田日銀審議委員と田村日銀審議委員の見解が配置されており、9月の最後尾から格上げされていたことで、タカ派色が強まっていた。そして、増日銀審議委員が、「利上げ判断は近づいている」と述べたことで、12月の利上げ観測が高まりつつあることは、ドル円の上値を抑える要因となっている。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
