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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、先週末からの底堅さは継続か 高市トレードが支えに

昨日の海外市場でドル円は、154.40円台から153.67円まで下落。米国の民間経済指標が労働市場の冷え込みを示し、ドル売りで反応。もっとも、一巡後は154円前半まで持ち直した。ユーロドルも、弱い米雇用データで1.1606ドルまでユーロ買いドル売りが進む場面があった。

 本日の東京為替市場でのドル円も、先週末からの底堅さは継続か。米政府機関の再開に向けた進展や、高市政権の財政拡張政策への期待がドル買い円売りをもたらしている。ただ、先週末から、「過去最長を記録し続けている米政府の一部機関閉鎖」が解消されるとの話は広まっており、米下院で機関再開につながる「つなぎ予算」が可決された場合、いわゆる「噂で買って、事実で売れ」という相場格言が意識されるかもしれず、その点には注意しておきたい。

 なお本日は、日本時間12時台にバー米連邦準備理事会(FRB)理事の講演がシンガポールで予定されている。ただし、フィンテックフェスティバルにおける「AIと技術革新」というタイトルであり、金融政策に踏み込んだ発言は出ないのではないか。

 昨日NY序盤には、民間データ(ADPの週間の民間雇用者数)ではあるものの、米労働市場の弱さが示唆された。10月ADP全米雇用報告が4.2万人増と市場予想を上回り、前月の減少から回復基調を示した後なだけに、ネガティブサプライズと言えるだろう。しかしながら、ベテランズデーで米債券市場が休場で後押し要因が少なかったとはいえ、ドル円の下押し幅は限られた。値動きから判断するに、下げたところのドル買い意欲は強いままと見る。

 日本の政局に目を向けると、昨日で衆院予算委員会が終了し、本日から14日まで参院予算委員会が始まる。高市首相は「責任ある積極財政」により、物価対策を最優先に強い経済の構築を掲げている。財政拡張政策にブレはないようであり、金融市場では高市トレード(日本株買い、円売り)という基本的な流れは続きそうだ。

 ただし、財源問題の置き去り感は否めない。財政出動を増やす政策の話が先走りし、これが嫌気されて本邦の超長期債には売り圧力が高まっている。昨日も財務省が実施した30年債入札が低調に終わったことを見ると、財源問題への見通しがある程度立つまでは、機関投資家は超長期債の購入を手控えそうだ。こちらも円にとってはネガティブな材料となる。

 ところで昨日夕刻、日経新聞電子版に為替介入の可能性に関する記事が記載された。円安が進む中で、本邦当局による円買い介入に対する思惑が強まってきたという。日米金利差が縮小しているにもかかわらず円安が進行しているのは、投機的な動きだということが1つの理由。しかしながら、為替介入の前に必要なことは日銀による利上げとしている。

 もっとも高市首相は昨日の衆院予算委員会で、デフレ脱却の宣言発出を「目指す」と明言した。まもなく策定する初めての経済対策に日銀への「注文」を盛り込む方針とも報じられており、政権としては利上げに後ろ向きだということが見て取れる。そうなると、円安阻止のための為替介入が実施されるのは、まだ先の話になりそうだ。

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ