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【見通し】ロンドン為替見通し=英欧中銀チーフ・エコノミストの講演に注目

週明けロンドンタイムは、欧州午後の英欧中銀チーフ・エコノミストの発言内容を見極めながら取引の展開か。ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフ・エコノミストが日本時間21時30分から、また22時45分からレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが講演予定。

 ピル氏は、今月の政策金利が据え置かれた中銀会合で賛成票を投じた7名に含まれている。しかしながら、量的引き締め(QT)ペースを緩めることへの決定は、年間の国債売却額を1000億ポンドで維持すべきと反対した。ピル氏はインフレの高止まりリスクも指摘し続けており、本日の講演でも同氏からのタカ派的な見解が予想される。

 先週末のポンドは欧州前半に売り圧力が強まった。きっかけは英国立統計局(ONS)が発表した4-8月の公的部門借入が838億ポンドと予算責任局(OBR)予測を大幅に上回ったこと。リーブス英財務相が11月に発表する秋季予算案では、経済成長と債務削減の狭間で難しい舵取りが求められそうだ。

 ポンドは、ピル英中銀MPC委員兼チーフ・エコノミストの講演で戻りの強弱を確かめることになる。戻り限定となってしまえば、先週末の英財政不安を背景としたポンド売りが再燃してしまうだろう。

 レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストの講演では、市場で高まるECBの利下げ打ち止め観測に関する意見が注目される。同チーフ・エコノミストは、以前から中道的なアプローチを提唱しており、インフレリスクについて上下のどちらにも過度に重きを置かないスタンスをとってきた。もし本日、どちらかのリスクに言及した場合、ユーロ相場の動意につながるだろう。


想定レンジ上限
・ユーロドル、19日高値1.1793ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3530ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、11日安値1.1662ドル
・ポンドドル、8月22日安値1.3391ドル


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ