今週のNY市場は利下げ見通しを巡り、米7月消費者物価指数(CPI)などの物価指標に注目。先週はダウ平均が587.03ドル高(+1.35%)、S&P500が2.43%高、ナスダック総合が3.87%高となり、主要3指数がそろって反発した。前週の米7月雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を下回り、過去2カ月分も大幅に下方修正されたことに加え、先週火曜日に発表された7月ISM非製造業PMIが改善予想に反して悪化したことで景気減速の懸念が強まったことや、トランプ米大統領が米国に輸入される半導体や医薬品に新たな関税を課す方針を示したことでセンチメントが悪化し軟調になる場面もあったが、アップルが国内製造業への投資を1000億ドル増額し、4年間で6000億ドルと投資すると発表し、週間で13%超上昇し相場をけん引した。ナスダック総合は週末8日の取引で7月31日以来、6営業日ぶりに取引時間中の史上最高値を更新し、終値では7日、8日の連日で終値の最高値を更新した。
今週は9月16-17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通しを巡り、火曜日発表の米7月消費者物価指数(CPI)や木曜日発表の7月生産者物価指数(PPI)などのインフレ指標に注目が集まる。CMEのフェドウォッチ・ツールの9月利下げ確率は88%と市場では9月利下げがほほ確実視されているものの、7月CPIなどが高い伸びとなれば利下げ期待の後退が再び相場の重しとなりそうだ。このほか金曜日に7月小売売上高や8月ミシガン大消費者信頼感指数速報値、同1年先・1年先期待インフレ率速報値の発表もあり、経済指標をにらんだ展開となりそうだ。また、ウクライナ紛争の終結に向けてトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が会談する可能性があるほか、貿易問題では中国との貿易協議の進展の有無にも注目する展開となりそうだ。
今晩は主要な米経済指標や決算発表はなし(執筆:8月11日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
