本日のニューヨーク為替市場では、トランプ米大統領のドル安を容認したとも受け取れる発言の影響をもうしばらく見極めながら、カナダと米国の金融イベントに対する反応に注目したい。また、週末に高まった一部米政府機関の閉鎖を巡る思惑にも注意が必要だろう。
トランプ大統領はNY時間27日夕刻(日本時間28日朝)、「ドルは絶好調、ドル安を懸念していない」と述べた。これを受けてドル売りが加速し、アジア時間では反動の買い戻しが見られるも上値は限定的だ。
トランプ大統領の見解は、円高を志向する本邦当局にとっては追い風となる。難しいとされた日米協調介入も、現実味を帯びてきた。ただしドル円は、先週末の高値から昨日安値まで7円超も下げており、介入でさらに押し下げてくるかは不透明。もしかしたら、期待が先行しただけで終わる可能性もある。
本日NY午後に予定されているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例会見では、おそらくドル安に関する質問も出るだろう。大統領と溝が広がるばかりのFRB議長の答え次第では、ドル相場はかなり荒い値動きとなるかもしれない。
なお市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利据え置き決定をほぼ織り込んでいる。今のところ市場は、年内2回の25ベーシスポイント(bp)の利下げを予想しており、声明やパウエル会見で先行き見通しを確かめることになる。
NY午前には、カナダ銀行(BOC、中央銀行)が政策金利を発表する。こちらも政策金利は現行2.25%で据え置きが市場予想。利下げサイクルの終了が声明で明確に示されるかに注目したい。またカナダと米国の関係悪化が目立っており、カナダ景気やインフレ見通しをBOCが変更してくる可能性もありそうだ。
ところで米国では、上院で国土安全保障省(DHS)向けの歳出法案を巡って与野党対立が深まっている。つなぎ予算の期限が月末に迫るなか、政府機関の一部閉鎖の可能性が先週末から一気に高まってきた。予測市場の1つポリマーケットは、31日閉鎖の可能性を77%前後とみている。同予測は先週、10%割れまで低下していた。機関閉鎖となれば、ドルへの印象悪化は免れないだろう。
想定レンジ上限
・ドル円、日足一目均衡表・雲の下限153.64円
・ドル/カナダドル(CAD)、27日高値1.3739CAD
想定レンジ下限
・ドル円、2025年10月29日安値151.54円
・ドル/カナダドル、2024年9月25日安値1.3420CAD
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
