17日の日経平均は反発。終値は237円高の39901円。米国株高を受けても、寄り付きから3桁の下落。オランダASMLホールディングの株価急落を警戒して、半導体株が軒並み安となった。開始直後には下げ幅を200円超に拡大。ただ、半導体株以外には買われる銘柄も多く、39300円台に入ったところで売りが一巡した。
39500円台まではすぐに戻し、前引けでは下げ幅を2桁に縮小。後場は前引けから水準を切り上げて始まり、早々にプラス圏に浮上した。決算発表を前にディスコがプラス転換から上げ幅を広げるなど半導体株に対する過度な警戒も後退する中、台湾TSMCの決算を波乱なく消化すると終盤にかけては上げ幅を拡大。200円を超える上昇となり、39900円台に乗せて取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆0900億円。業種別ではその他製品、サービス、医薬品などが上昇した一方、鉱業、鉄鋼、石油・石炭などが下落した。証券会社が投資評価を引き上げた三井E&Sが急騰。半面、レーザーテックが4.8%安と、連日で大幅な下落となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1172/値下がり374。ソシオネクストが6%を超える上昇。主力どころではソフトバンクG、サンリオ、任天堂などの動きが良かった。NECやソニーGなど電機株の一角が大幅上昇。証券会社が投資判断を引き上げたフェローテックが急騰した。今期の見通しを開示したデータセクションは、場中に値が付かずストップ高比例配分となった。
一方、クシュタール社が買収提案を撤回したと伝わったセブン&アイが9.2%安。セブンイレブン向けに中食を展開するわらべや日洋も売りに押された。半導体株は売り一巡後は持ち直したものの、東京エレクトロンやアドバンテストは下落。円安にブレーキがかかったことから、日産自動車、マツダ、SUBARUなど自動車株が嫌われた。新株予約権の発行などを発表したクリングルファーマは、場中に値が付かずストップ安比例配分となった。
日経平均は後場の動きが良く、3桁の上昇。レーザーテックなどは弱いままであったが、全体では午前の時点でも半導体株の下落に比較的耐性を示していただけに、後場は売り手不在の様相が強まった。あすは三連休前かつ、日曜20日には参院選の投開票が控えているだけに、上値追いには慎重になると思われる。ベッセント米財務長官の来日に合わせて、石破首相があす18日に会談する方向で調整していると伝わっている。ただ、参院選の投開票前に踏み込んだ話ができるかどうかは微妙なところで、それほど期待は高まらないだろう。一方、きょうの引け味が良かっただけに、下げたとしても押し目は冷静に拾われる可能性が高い。与党の苦戦が報じられる中でしっかりとした動きを見せているのだから、売りを急ぐ理由も乏しい。きょうの終値は39901円。4万円を上回る場面が見られるかに注目したい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
