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【見通し】NY株見通し-高値警戒感や貿易摩擦懸念で軟調か

今晩は軟調か。

 昨日はAIラリーが継続し、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズなどの半導体株の上昇が続いた。新規失業保険申請件数が予想を下回り、労働市場の減速懸念が和らいだことや、デルタ航空が予想を上回る決算を発表、空運株やレジャー関連株が軒並み上昇したことで主要3指数がそろって上昇した。

 ダウ平均が192.34ドル高(+0.43%)、S&P500が0.27%高と、ともに2日続伸した。ハイテク株主体のナスダック総合は0.09%高と小幅ながら3日続伸した。S&P500は4日ぶりに史上最高値を更新し、ナスダック総合は前日に続いて史上最高値を更新した。週初来ではダウ平均が0.40%安と4週ぶりの反落ペースとなったが、S&P500が0.02%高とわずかながら3週続伸ペースとなり、ナスダック総合は0.14%高と小幅に4週続伸ペースとなった。

 引け後の動きでは、トランプ米大統領がカナダからの輸入品に対して35%の関税を8月1日から課すと発表した。

 今晩の取引ではトランプ米大統領がカナダに対して35%関税を発表したことで、貿易摩擦問題が相場の重しとなりそうだ。前日にはブラジルに対して50%の関税を課すと発表しており、関税による物価上昇や景気悪化懸念が改めて意識されそうだ。投資家の不安心理を示すVIX指数が2月以来の15ポイント台に低下するなどセンチメントは良好であるものの、S&P500とナスダック総合の史上最高値更新が続いていることで高値警戒感も強まりそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは6月財政収支など。主要な企業の決算発表はなし。
(執筆:7月11日、14:00)

(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ