
トランプ米大統領は「イスラエルとイランが暫定的な停戦に合意した」と発表した。イスラエルとイラン、及び米国による軍事衝突がどのように終息していくのか、今後の関連ヘッドラインを見極めていくことになる。
イスラエルのネタニヤフ首相は、「イランとの停戦に同意した。イランの核と弾道ミサイルの脅威を取り除く目標を達成」と発言。アラクチ・イラン外相は「イスラエルが攻撃を停止すれば、我々も対応を続けるつもりはない」と述べている。
先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、トランプ関税による「不確実性(uncertainty)」を理由に、4会合連続での政策金利の据え置き(4.25-50%)を全員一致で決定した。声明文からは、関税スタグフレーション(higher unemployment and higher inflation)への警戒文言が削除。そして、ドット・プロット(金利予測分布図)では、年内2回の利下げ見通しが維持されている。
パウエルFRB議長は会見で、今夏にはトランプ関税の影響が一層明らかになるとの見通しを示しつつ、先行きの物価上昇の可能性にも触れていた。
しかし、第1次トランプ米政権でFRB理事に指名された2名、ウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長は、7月FOMCでの利下げの可能性に言及。次期FRB議長の有力候補でもあるウォラーFRB理事は、「早ければ7月にも実施できる位置にあると思う」と見解を示した。タカ派と見られているボウマンFRB副議長も、「インフレ圧力が抑制されたままであれば、政策金利を中立水準に近づけ、健全な労働市場を維持するために、次回の会合での利下げを支持する」との考えを明らかにした。
さらにトランプ米大統領が、「本来なら少なくとも2-3%は金利を下げるべきだ」「議会にはこの非常に愚かで頑固な人物(パウエルFRB議長)をしっかり問い詰めてもらいたい」と発言。こういった状況のなか、パウエルFRB議長がどのような議会証言をするのか注目が集まる。
経済指標では6月米消費者信頼感指数が発表予定。同月の雇用統計や物価情勢を見極める意味で、雇用や物価に関する数字にも注目しておきたい。
・想定レンジ上限
ドル円、上値目処(めど)は146.19円(本日高値)
・想定レンジ下限
ドル円、下値目処(めど)は144.34円 (6/18安値)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ