本日これまでのドル円は先週末の流れを引き継ぎ売りが先行するも下押しは141.96円にとどめ、先週末の安値141.78円や8月5日の安値141.70円を支えに下げ渋ると、対欧州通貨でのドル買いや日米欧株価指数の上昇を手がかりに143.60円台まで切り返した。
本日のNYタイムで予定される経済指標は7月米卸売売上高や7月米消費者信用残高程度で、米連邦準備理事会(FRB)はブラックアウト期間に入っているので、FRB要人の発言も出ないことで手がかりは乏しい。ドル円は米株や米長期金利の動向を睨みながらの動きが想定されるが、ドル円は足もとで9月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅を探る展開が続く。
先週末、注目の8月米雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増と市場予想を下回り、6・7月分も下方修正された一方で、失業率は4.2%と5カ月ぶりに低下した。就業者数の伸びの鈍化傾向が続いており、労働市場は明らかに減速している。ただ、9月FOMCでの大幅な利下げを促すほどではないとの見方が強く、短期金融市場で0.25%の利下げ確率は7割程度、0.50%の利下げ確率が3割程度と雇用統計発表前とほぼ変わっていない。
市場の目線は11日発表予定の8月米消費者物価指数(CPI)に向けられているが、歴史的な高インフレが落ち着くなかFRBが政策運営の軸足を雇用の最大化に移しているのは明らかである。FRBメンバーらは、米経済を拡大基調に保つのに小幅な利下げで十分かどうかという難しい判断に迫られている。今のところ、市場で今月のFOMCでFRBが大きめの利下げを選択するかどうかに懐疑的な見方が優勢ではあるものの、FRBが利下げサイクルを本格化し、「5会合連続で0.25%の利下げを行う」との見方も出ている。また、日銀の追加利上げ思惑も根強く、日米金利差縮小を意識したドル円の重い動きが続きそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円、6日の高値144.01円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円、本日これまでの安値141.96円が下値めど。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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