本日のロンドン為替市場では、欧州入り後すぐ(日本時間15時)に発表される英経済指標にまずは注目が集まり、その後はフランスの政治状況を確かめながらの取引になりそうだ。
英経済指標では、5月消費者物価指数(CPI)の結果にまずは注目。市場ではヘッドラインが前年比では+2.0%となり、前月の+2.3%から低下すると予想されている。また、コア指数も前年比で+3.9%から+3.5%への低下予想。市場予想通りになればヘッドライン、コア指数ともに5カ月連続で鈍化となる。7月4日に英国では総選挙が予定されていることもあり、明日行われるイングランド銀行(BOE・英中銀)の金融政策委員会(MPC)では政策金利据え置きが予想されているが、CPIの結果が予想通りか更にインフレが低下した場合は、これまで11月だった利下げ予想が前倒しされる可能性もありそうだ。なお、CPI以外にも本日は小売物価指数(RPI)も発表される。
30日に行われるフランスの第1回目の総選挙に関しては、依然として不透明感が続いている。2回投票制ということもあり、今後も政党間の駆け引きが続きそうだが、一部ではどの政党も577選挙区の過半数にあたる289議席を獲得できず、マクロン大統領の任期が2027年4月に終了するまでハング・パーラメント状態になる可能性も予想されている。市場が最も警戒しているのは、左派連合が多数派となった場合。欧州連合(EU)離脱を含め、左派連合が躍進した場合は仏株とユーロの暴落の可能性が高い。いずれにしろ、結果が出るのはまだ先だが、世論調査がこまめに行われることで、調査結果次第でユーロが動意づくこともありそうだ。
なお、南アからもCPIと小売売上高が発表されるが、今回は同国の経済指標で動意づく可能性は低い。というのも、ラマポーザ氏が本日大統領の就任宣誓後に、閣僚を指名することに市場の注目が集まっているからだ。昨日はJPモルガンが南ア株の投資判断をアンダーウェイトからオーバーウェイトに引き上げたことで、南ア株とランドが急騰した。今回の閣僚指名で、国民統一政府(GNU)で与党アフリカ民族会議(ANC)以外の参加政党から不満の声が出ないかが重要になる。
想定レンジ上限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0785ドル。
・ポンドドル:日足一目均衡表・転換線1.2759ドル。
・ユーロポンド:6月4・6日高値0.8525ポンド。
・ランド円:2022年高値8.81円。
想定レンジ下限
・ユーロドル:6月14日安値1.0668ドル。
・ポンドドル:6月14日安値1.2657ドル
・ユーロポンド:6月14日安値=年初来安値0.8397ポンド。
・ランド円:6月18日安値8.62円。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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