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【市場概況】東京為替見通し=中東地政学リスク、原油高で円安進行すれば為替介入に要警戒か

12日のニューヨーク外国為替市場で中東の地政学リスクを警戒した値動き。ドル円は東京時間夕刻の高値153.39円から152.59円まで下落後、153.20円台まで反発した。ユーロドルは1.0623ドルまで売り込まれた。ユーロ円は162.28円まで下落後、163円前半まで切り返した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、中東の地政学リスクを受けた原油価格の上昇で円安が進行するようであれば、本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

 イランは、4月1日の在シリアのイラン大使館に対する空爆への報復として、イスラエルに事前通告した上でミサイルと無人機での攻撃を断行し、イスラエルはほぼ迎撃に成功したと報じられている。イランは、イスラエルへの攻撃はイラン大使館を空爆したことに対する正当な防衛であり、「抑止力創出」(敵が攻撃で得た利益より報復で受ける損害が大きいことを悟らせる戦略)だと強調。そして、報復攻撃により「問題は終結したとみなすことができる」と述べ、イスラエルに反撃しないよう求め、米国には介入しないように要請している。

 今後は、イスラエルがイランの要請に従って報復しないのか否かを見極めていくことになる。

 イスラエルがイランに攻撃しなければ、中東情勢は鎮静化していくと思われる。しかし反撃して、軍事紛争が第5次中東戦争まで拡大した場合、「有事のドル買い、安全資産の米国債買い」となる。イスラエル戦時内閣はイランに対する反撃を決定した、との報道もあり、関連ヘッドラインを注視していきたい。ドル円に関しては、原油価格の高騰による円売り要因も追加される。

 バイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と13日に電話で会談した際、イランへの反撃に反対する考えを伝えた。米国はイランに対する軍事作戦に参加したり、支援することはないと述べ、ネタニヤフ氏も理解を示したと報じられている。バイデン米大統領は、11月の大統領選挙を控えて、1990年の湾岸戦争に勝利したものの、1992年の大統領選挙で敗北したブッシュ第41代米大統領の二の舞は避けたいのではないだろうか。

 ドル円は、2022年秋の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入以来、152円が防戦ラインと見なされてきた。しかし、今回153円台に上昇しても、円買い介入が実施されないことで、防戦ラインが155円付近まで引き上げられているのではないか、との見方が広がっている。

 一部の市場筋は、神田財務官が介入に踏み切る「神田ライン」は、過去28日間の安値から10円上昇した水準(本日は156.49円=146.49円+10円)付近ではないか、と推測している。また、2022年秋に円買い介入が行われた水準であるドル円のボリンジャー・バンド+2σは、153.37円付近にある。

 おそらく、中東情勢の緊迫化を受けて原油価格が高騰し、ドル円が155円方向に向けて上昇した場合、本邦通貨当局の円買い介入の可能性が高まるのではないだろうか。

(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ