最新のドル円相場を解説
動画の内容 ポイントまとめ
■ドル円相場の現状
ドル円は153.30円台で推移しており、34年ぶりとなる新高値を更新している。米CPI高めの結果を受けて、米長期金利の上昇が続いており、これがドル高を牽引している。ただし、154円への上値試しに際しては、政府・日銀による為替介入への警戒感が高まっている。
■為替介入への警戒感
過去の経験から、急激な円安進行に対して政府・日銀による為替介入が実施される可能性が高まっている。介入後は概ね5～6円程度の一時的な円高修正が見られており、それを狙ったトレード戦略の構築が求められている。
■注目イベント
本日はFRBが注目するCPI指標の「4月ミシガン大学消費者態度指数・速報値」と「期待インフレ率」が発表される。その結果次第では、金利動向を通じた市場の反応も大きくなる可能性がある。
来週以降も米小売売上高や鉱工業生産など、FRBの政策判断に関係する重要指標の発表が控えている。これらの結果が、利下げ開始時期の見通しを左右することになる。
■今後の展開予想
円安圧力が続けば、154円またはN計算値で算出した目標値155円台へのトライも視野に入ってくる。ただし、急速な円安を受けて、政府による為替介入の実施が警戒される。介入が行われれば、一時的な円高修正が予想される。
一方で、本日は152.80円～153円台への下落局面では、押し目買いのチャンスと捉えられる。上昇トレンドが続く中で、利益確定の売りやポジション調整を狙える可能性がある。
■注意点
特に来週月曜日の早朝8時台は、過去の介入実施例から要警戒の時間帯となる。市場参加者が少ない中での機動的な介入が行われる可能性がある。
介入後は一時的な円高修正が見られるが、その後の上昇トレンドの継続も期待できる。事前の買い注文設定や小さめのポジションサイズなど、慎重な対応が求められる。
全体として、ドル円は上昇基調を維持しつつも、為替介入リスクを十分に意識する必要がある。特に週明けの早朝時間帯には十分な注意が必要と考えられる。今後の重要指標の動向次第では、利下げ観測の変化がドル円相場の方向性を大きく左右することになりそうだ。
■テクニカル分析
13・26・52週線が強気のパーフェクトオーダーを形成する中で、アセンディングトライアングルを上抜けました。過去3年間意識されていた151.90-152.00円の上値抵抗を突破したことで上昇に弾みがつき153円台まで上値を拡大しています。終値で152.00円を上抜くようだと来週以降も上値模索の展開が続きそうです。その際はN計算値で算出した目標値155円台がターゲットになるでしょう。
■来週の注目イベント一覧
4/15☆米3月小売売上高
4/15◎デイリー米サンフランシスコ連銀総裁講演
4/16◎米3月住宅着工件数
4/16☆米3月鉱工業生産
4/16◎ジェファーソンFRB副議長講演
4/16◎IMF世界経済見通し
4/17◎米地区連銀経済報告(ベージュブック)
4/17◎メスター米クリーブランド連銀総裁講演
4/17◎ボウマンFRB理事講演
4/17◎G20財務相・中央銀行総裁会議（17日～18日）
4/18◎野口日銀審議委員講演
4/18☆米新規失業保険申請件数
4/18◎ボウマンFRB理事講演
4/18◎ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁講演
4/18◎ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
4/19☆日本3月消費者物価指数
4/19☆植田日銀総裁講演
☆特に重要 ◎重要
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員宇栄原 宗平（うえはら・しゅうへい）
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか！』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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