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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、令和6年能登半島地震を受けて軟調推移か

29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、12月米シカゴ購買部協会景気指数が46.9と予想の51.0を下回ったこと、年末のロンドンフィキシングに絡んだ円買い・ドル売り、米国株相場が下げに転じたことなどで、欧州時間の高値141.91円から140.80円まで下落した。ユーロドルは、ユーロ円やユーロポンドなどユーロクロスの下落につれた売りで1.1034ドルまで下落した。ユーロ円もロンドン・フィキシングに絡んだ円買い・ユーロ売りで155.64円まで下落した。

 本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場で閑散取引の中、昨日の令和6年能登半島地震を受けてドル安・円高気味に推移することが予想される。

 1995年1月17日に勃発した阪神淡路大震災の後、ドル円は4月19日に79.75円の1973年変動相場制導入後の円高値を付けた。
 2011年3月11日に勃発した東日本大震災の後、ドル円は、10月31日まで75.32円の変動相場制導入後の円高値を更新した。

 過去の2つの大震災の後は、日本の有事の円買いが起こったが、その背景として、日本が世界最大の債権国であること、日本が相対的に低金利国であること、などが指摘されている。

 日本の投資家が海外資産を売却して日本国内に資金を還流させることは、3月期末決算や9月中間期末決算の時にも確認され、「レパトリエーション(repatriation)」と呼ばれて、円高要因となる。日本の保険会社は、契約者から受け取った保険料の一部を海外の株式や債券で運用しているが、大震災が起きた場合、保険会社は契約者に多額の保険金を支払う必要があり、保険会社がこれらの外国資産を売却して円に換えるのではないか、という見方が強まる。
 また、日本は恒常的に低金利国であることで、米系ヘッジファンド勢は、低金利の円を調達して、高金利通貨で運用する「円・キャリートレード」という投資手法を駆使している。日本が大震災に襲われた場合は、「リスクオフ(リスク回避)」として、「円・キャリートレード」を手仕舞って、調達資金である円を返済する「円買い」の為替取引が活発化する。

 1995年1月17日に勃発した阪神淡路大震災の後、ドル円は4月19日に79.75円の1973年変動相場制導入後の円高値を付けた。当時の国際金融情勢は、メキシコ通貨危機「テキーラ危機」の渦中であり、米国のクリントン政権は「ドル安政策」を採っており、ドルは下落トレンドの過程にあった。そして、ドル円は4月19日に79.75円の1973年変動相場制導入後の円高値を付けた。

 2011年3月11日に勃発した東日本大震災の後、ドル円は、10月31日に75.32円の変動相場制導入後の円高値を付けた。3月17日に、ドル円は、当時史上最安値となる76.25円を記録したが、翌日の18日、先進7カ国(G7)による協調ドル買い・円売り介入が行われ、ドル円は、4月に同年高値となる85.53円まで上昇していった。
 その後、8月5日に米格付け機関 スタンダード&プアーズ (S&P)が、アメリカの長期発行体格付けを『AAA』から『AA+』に格下げしたことによる「米国債ショック」が起こり、ドル円は10月31日に75.32円まで変動相場制導入後の円高値を更新した。

(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ