本日これまでのドル円は前日の流れを引き継ぎ、9月12日以来の安値となる146.67円まで下押した後、欧州タイムではドルの買い戻しが優勢となり147.65円まで切り返した。下げが一服し、NYタイムでは調整の買い戻しが続く可能性はあるが、米長期金利の低下に伴うドルの重い動きが続いており、ドル円の戻りは鈍いと想定され下方向への警戒感は根強い。
昨日はタカ派とされる米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が講演で今後の利下げの可能性に言及したことでドル売りが加速した。市場では米利上げサイクルの終了はほぼ織り込み済みで、来年に予想される利下げ時期の早まりへの警戒感が強まっており、ドルの上値は重い。先週の米感謝祭前のドル円の下落は大きく膨らんだ円ショートポジションの調整と位置付けられたが、ここに来て米長期金利の低下が継続し、対人民元でのドル売りが強まっていることや、大手金融機関が公表し始めた来年の市場見通しで、米景気のピークアウトと利下げ、ドル安を予想するものが相次いでいることを鑑みると、長く続いたドル高・円安トレンドの変化も警戒される。
本日のNYタイムでは7-9月期米GDP改定値や米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表などが予定されている。ドル円は基本的に米長期金利の動向を睨んだ動きが続きそうだ。時間外の米10年債利回りは一時9月14日以来の低水準となる4.25%割れまで低下幅を拡大した。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは90日移動平均線の147.78円や5日移動平均線の148.48円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは本日これまでの安値146.67円や9月11日安値145.91円。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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