総括
FX「米中首脳会談は、人民元円は年初来高値更新」人民元見通し
(通貨7位、株価17位)
予想レンジ 人民元/円20.6-21.1
(ポイント)
*米中首脳会談は
*人民元円はまたもや高値更新
*10月消費者物価は低下
*10月鉱工業生産、小売売上が改善
*IMF成長見通し上方修正
*中国の米国債保有高が8054億ドルに減少
*BYDが過去最高益
*1兆元の国債発行し景気対策へ
*株価は弱い
*米の経済制裁は続く
*世界では中国回避の流れもあるが、14億人の消費は捨てがたい
*対米貿易では首位を陥落
(人民元円はまたもや高値更新)
人民元円はまたもや高値更新、11月15日は20.855円をつけた。昨年の高値20.905にも近づいてきた。円安と強いドルとバスケット制で連動していること、IMFの成長見通し上方修正などが人民元を支援している。
(米中首脳会談)
米中首脳が11月15日に開催、会議は終了し、これから晩さん会へ(現在日本時間午前8時)。
(習近平国家主席の中国側の報道は以下の通り)
習近平国家主席
・世界で最も重要な二国間関係として、中米関係は以下の文脈で考慮され考慮されなければならない
・世紀にわたる世界の変化の加速する進化 両国の人々に利益をもたらし、人類の進歩に対する責任を示す計画を立てる
・二大国(中国と米国)が互いに関わらないことは不可能だ。お互いを変えようとするのは非現実的だ。紛争と対立の結果には誰も耐えられない
・私も今でも同じ考えだ。大国間の競争はこの時代の背景ではなく、中国、米国、そして世界が直面する問題を解決することはできない
・この地球は中国と米国を受け入れることができ、私たちのそれぞれの成功はお互いにとってのチャンスです。(新華社)
(中国、APECの貿易・投資政策巡る米提案に反対か)
APECの貿易・投資政策に包括性と持続可能性を盛り込む米国の提案に対し、中国が反対しているようだ。
米通商代表部(USTR)のタイ代表は「1カ国を除く全ての国によって支持されている」とし、「APECがその使命を果たせるかどうかは不透明だが、各国が近くこの提案について最終決定すると楽観視している」と述べた。
米国主導の提案の詳細はこれまでにさほど明らかになっていないものの、バイデン政権は、恵まれない人々への機会を拡大し、クリーンエネルギーや二酸化炭素排出削減目標を開発・成長・通商政策に統合する考えを推進しているという。
(10月消費者物価低下)
10月消費者物価(CPI)は下落に転じ、生産者物価(PPI)もデフレ圧力が続いた。CPIは前年比0.2%低下し、予想の0.1%低下より大幅なマイナスとなった。PPIは前年比2.6%低下し、13カ月連続のマイナスとなった。予想は2.7%低下。
(10月鉱工業生産、小売売上が改善)
10月の鉱工業生産は前年同月比4.6%増加し、9月の4.5%増から小幅改善。予想は4.4%増。4月以来の高い伸びとなった。
10月小売売上高は7.6%増、9月の5.5%増から大幅増。予想は7.0%増。
1-10月の固定資産投資は前年同期比2.9%増と、予想の3.1%増を下回った。1-9月期は3.1%増。
テクニカル分析(人民元/円)
またもや年初来高値更新
日足、昨日は20.855をつけ年初来高値更新、ボリバン2σ上限。11月7日-15日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向き。昨年の高値は20.905。
週足、ボリバン2σ上位で推移。今週はほぼ2σ上限。10月30日週-11月6日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線上向き。
月足、ボリバン2σ上限。今年はここまで右肩上りといってもいい動き。10月はボリバン2σ上限から反落でスタートも戻して陽線。9月-10月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年9月の下降ラインを上抜く。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
中国の世界貿易におけるシェアーは
中国の世界貿易におけるシェアーは以下の通り、西側の対中貿易削減は双方にとって打撃となる。それを避けるための米中首脳会談でもある。
2021年、世界の貿易額は22.1兆ドル。中国の輸出は3.4兆ドル(15.4%)、輸入は2.3兆ドル(10.4%)。米国は輸出が1.8兆ドル(8.1%)、輸入が2.9兆ドル(13.1%)。日本は輸出が0.8兆ドル(3.6%)。輸入が0.7兆ドル(3.2%)。輸出世界一は中国、輸入世界一は米国。
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