総括
FX「PMI弱く輸入伸びず。インフレは超安定というかデフレ気味。人民元は安定」人民元見通し
(通貨6位、株価8位)
予想レンジ 人民元/円19.0-19.5
(ポイント)
*弱い経済指標が続く(PMI、貿易収支)
*本日は消費者物価の発表、予想は0.3%
*輸入の減少が続く。内需が弱い
*預金金利は引き下げか
*国債利回り6カ月ぶり低水準
*人民元はバスケット制度で12通貨中では中位にいる
*株価は冴えない、ハンセン指数はマイナス圏
*海外勢の中国債保有は3か月ぶりに増加
*米中関係は停滞
*G7は中国回避か中国とのデカップリングも焦点
*金融は緩和気味。預金準備率(RRR)引き下げ
*中国、初の人民元建て決済 仏トタルとLNG
*サウジ、上海協力機構へ参加
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
(異質の低インフレ国家、本日消費者物価発表)
本日は4月消費者物価の発表がある。予想は前年比0.3%、3月は0.7%。
(4月の各種PMI弱い、人民元は6位で安定)
人民元は、年初来では6位で安定している。インフレは1%以下となり、金利も低下傾向にある。ゼロコロナ政策緩和後、経済指標は徐々に改善しているが、直近のPMIは世界の傾向と同じく、製造業が弱く、サービス業は強い。4月の製造業PMIは49.2と、3月の51.9から予想以上に低下した。景況拡大・悪化の分かれ目となる50を下回るのは、47.0だった昨年12月以来。 非製造業PMIは56.4と、3月の58.2から低下。
4月財新製造業PMも49.5と3月の50から予想外に低下し、2Qの経済見通しに影を落とす内容となった。景況悪化と改善の分かれ目となる50を割り込むのは1月以来。内需が軟調だった。4月財新サービス部門PMIは、56.4、3月の57.8から低下。需要や生産の回復を背景に好不況の分かれ目である50を4カ月連続で上回ったものの、前月から小幅低下した。
2Qは企業利益の伸び、個人所得、財政収入など全て1Qの経済成長を下回っており、消費は一段の政策支援・刺激策が必要になろう。
(4月の中国輸入、内需低迷で4月は7.9%減 輸出も伸び鈍化)
4月の輸入は大幅に減少し、輸出は伸びが鈍化した。新型コロナウイルス規制解除後も内需が低迷し、世界経済の減速に苦しむ中国経済に一段の圧力がかかっていることが浮き彫りになった。
4月のドル建て輸出は前年比8.5%増加し、伸び率は3月の14.8%から鈍化した。一方、輸入は7.9%減少した。3月の1.4%減から減少幅が拡大した。
輸入の伸び率は前年比で引き続き低下した。国内の景気回復が依然弱いことが背景。
外需の見通しもさえないことから、輸出はさらに鈍化し今年中に底打ちすると見られている。
(国債利回り6カ月ぶり低水準、景気まだら模様 利下げ観測拡大)
中国の国債利回りは、6カ月ぶりの低水準付近で推移している。一連の経済指標で中国の景気回復がまだら模様であることが示される中、市場では利下げ観測が広がっている。
10年債利回りは2.745%。 中国の国債利回りは、「ゼロコロナ」政策の解除を受けて今年1Qは急上昇した。しかし、4月の製造業が予想外に縮小したことで利回りが低下。FRBが利上げを停止し利下げを開始すれば、中国でも年後半に利下げが行われる可能性が高くなるだろう。 本日は4月消費者物価の発表がある。予想は前年比0.3%、3月は0.7%。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン3σ上限近くから反落
日足、ボリバン3σ上限近くから反落、雲の上、ボリバン下位へ。5月4日-10日の上昇ラインがサポート。5月2日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向きで20日線を下抜く。
週足、雲中。10月17日週-5月1日週の下降ラインが上値抵抗。4月3日週-24日週の上昇ラインがサポート。
月足、1月、2月は陽線。3月は陰転。4月はここまで陰線。ボリバン中位を下抜けず。23年3月-4月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年4月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
預金金利の上限を引き下げ
中国当局は、四大国有銀行に一部商品の預金金利の上限を引き下げるよう指示した。
それによると、人民銀行が監督する金利の自主規制機構は、四大国有銀行に対し一部の個人・法人向け預金の上限金利を5月15日から0.3%引き下げるよう要請した。
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