総括
FX「G7は中国回避か、サプライチェーンの多様化。人民元は安定推移」人民元見通し
(通貨6位、株価7位)
予想レンジ 人民元/円19.1-19.6
(ポイント)
*G7は中国回避か、サプライチェーンの多様化
*バスケット制で12通貨中6位、強からず弱からず
*世界では異例の低物価
*本日は3月貿易収支の発表
*来週はGDPの発表あり
*中国とのデカップリングも焦点
*金融は緩和気味。預金準備率(RRR)引き下げ
*経済指標は悪くはない
*中国、初の人民元建て決済 仏トタルとLNG
*サウジ、上海協力機構へ参加
*全人代の成長見通しは5%だが、他の機関は上方修正
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
(G7は中国回避か、サプライチェーンの多様化)
G7は4月12日開催した財務相・中央銀行総裁会議で、サプライチェーンの多様化を通じて低・中所得国の役割を拡大し、供給網をより強靭にすることで合意した。
中国を名指ししてはいなかったが、サプライチェーンへの言及は中国への依存度引き下げに向けた各国の協調的行動に合致する。
(バスケット制で12通貨中、強からず弱からず)
依然、バスケット制で12通貨中6位、強からず弱からず。経済指標もまずまず。財新3月製造業PMIは50.0で前月の51.6を下回った。財新サービス業は57.8で前月の55.0を上回った。総合PMIは54.5で前月の54.2を上回った。
(世界では異例の低物価、3月消費者物価・生産者物価は)
3月消費者物価(CPI)は前年比で1年半ぶりの低い伸びにとどまり、生産者物価(PPI)は下落率が拡大した。需要低迷が背景にあり、強弱まちまちの景気回復を支援するため政策当局者が一段の措置を取る可能性が高まっている。
世界的な物価高騰とは対照的に、中国では消費、産業セクターともに新型コロナウイルスのパンデミックに伴う打撃からの回復が遅れ、物価が伸び悩んでいる。今年の消費者物価が政府目標の3%に届かない可能性がある。
CPIは前年比0.7%上昇した。伸び率は前月の1.0%から鈍化し、2021年9月以来の低水準となった。
PPIは前年比2.5%下落した。2020年6月以来の大きな落ち込みとなった。
(4月13日は3月貿易収支の発表)
3月貿易収支の予想は輸出入ともに伸び幅が改善する予想だ。コロナ禍から立ち直れるか。
(来週は1Q・GDP)
4月17日週は注目の1Q・GDP、3月小売売上、鉱工業生産の発表があり、いずれも前回より小幅改善する見込み。成長見通しも各調査機関が上方修正しているところだ。全人代の5%成長を上回る可能性が高い。
テクニカル分析(人民元/円)
2σ下限から上限へ上昇、5連続陽線
日足、ボリバン2σ下限から上限まで到達。雲中。4月7日-10日の上昇ラインがサポート。上は3月31日と4月12日の19.445でダブルトップ。5日線上向き、20日線下向き。
週足、雲中へ戻る。3月20日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。3月20日週-4月3日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ下限から回復。
月足、1月、2月は陽線。3月は陰転。4月は陰線スタートも陽転。ボリバン中位を下抜けず。23年1月-3月の上昇ラインがサポート。22年10月-23年3月の下降ラインが上値抵抗。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
デカップリング
IMFは米国と中国の「デカップリング」により、世界のGDPの2%が失われる可能性があるとした。世界中の企業や政策立案者が、「生産活動を本国に戻すか、信頼できる国に移転する」ことで、サプライチェーンの回復力を高める方法を模索しているが、それで米中経済関係に障害が出るとしている。
中国は出来るだけそれを回避すべく行動しているが、米国が主導する西側と、中国主導のグループでは政治的なギャップが大きく、スムーズに経済外交が進むとは思えない。争うのは中国が力をつけてきた証拠であるが、これまでも強権政治が米国と争ったことも多いが、最後は米国が優勢となりそうだ。完全分裂もいいだろう。
本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたしま す。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。 なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、FX湘南投資グループグならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。