総括
FX「バスケット制で安定。工業利益悪化でRRR引き下げ。明日はPMI」人民元見通し
(通貨5位、株価8位)
予想レンジ 人民元/円19.0-19.5
(ポイント)
*円高に押されるも12通貨中では5位
*1-2月鉱業利益は悪化で預金準備率(RRR)引き下げだったか
*明日3月31日は3月製造業PMIの発表あり
*アリババ事業再編、中国当局の締め付け終了の兆しか
*中国、初の人民元建て決済 仏トタルとLNG
*サウジ、上海協力機構へ参加
*中国主席のウクライナ訪問を招請─ゼレンスキー大統領
*ロシア・ウクライナ和平の仲介出来るか
*全人代の成長見通しは5%だが、他の機関は上方修正
*2月消費者物価は伸び減速
*対米、対独の2022年の貿易額は過去最高
(年初来では5位と底堅い)
3月は円高で人民元円はやや下落しているが、年初来では5位と底堅い動きだ。通貨バスケット制度を活用して全体的には過度な動きを避けている。上海株株価指数は年初来4.88%高。
(経済指標)
1-2月は回復を見せた中国の各種PMIだが、3月分は製造業・非製造業、総合もやや低下する予想だ。ただ依然50を上回る見込み。
なお1-2月の工業部門企業利益は前年比22.9%減となり需要の低迷を示した。預金準備率引き下げはこのあたりからかもしれない。
(アリババ事業再編、中国当局の締め付け終了の兆しか)
中国電子商取引大手アリババ・ホールディングが大規模な事業再編を発表したことについて、中国当局による企業への締め付けが終わりに近づいている兆し投資家は受け止め、株価が上昇している。
(IMFの中国の見方)
IMFは中国を持ち上げた。中国開発フォーラムの2023年年次総会で、ゲオルギエバIMF専務理事は、中国経済の回復に伴い、世界経済成長への中国の貢献は2023年に3分の1に達し、世界経済に良い後押しをもたらすと予想されている。さらに、世界経済の成長への直接的な貢献に加えて、IMFの分析では、中国経済が1%成長するごとに、他のアジア経済が0.3%成長する可能性があると指摘した。
(中国、初の人民元建て決済 仏トタルとLNG)
上海石油天然ガス取引所は、初めてとなる人民元建ての液化天然ガス(LNG)取引の決済が中国海洋石油(CNOOC)と仏エネルギー大手トタルエナジーズとの間で完了したと明らかにした。
中国はこの数年、人民元の国際的な地位を確立し、世界貿易におけるドルの支配を弱めるため、人民元建ての石油やガス貿易の重要性を強調してきた。
(サウジ、上海協力機構へ参加)
サウジアラビアは、上海協力機構(SCO)に参加する決定を閣議で了承した。米国は安全保障上の懸念を示しているが、中国と長期的な関係を築く。
サウジはSCOの対話パートナー国としての地位を付与された。
SCOは中国、ロシア、中央アジア諸国が2001年に結成した政治・安全保障の地域協力組織。インドとパキスタンも加盟しており、欧米に対抗する組織としての役割拡大を視野に入れている。イランも昨年、加盟文書に調印した。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン3σ下限から反発。雲中へ
日足、ボリバン3σ下限から反発。雲中へ。3月24日-29日の上昇ラインがサポート。3月15日-29日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き、20日線下向き。
週足、依然雲中。3月6日週-13日週の下降ラインが上値抵抗。1月2日週-3月20日週の上昇ラインがサポート。
月足、1月、2月は陽線。3月は陰転。23年1月-2月の上昇ラインを下抜く。22年2月-23年1月の上昇ラインがサポート。
年足、3年連続陽線。23年も陽線スタート。ただ22年は上ヒゲが長い。20年-21年の上昇ラインがサポート。
チーファンラマ
中国主席のウクライナ訪問を招請─ゼレンスキー大統領
ウクライナのゼレンスキー大統領は、中国の習近平国家主席のウクライナ訪問を招請した。大統領は「われわれは習氏とここで会う用意がある」と述べた。
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