執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・ドル/円の下落が重し
・豪ドル/米ドルの上昇が支え
・中国ゼロコロナ緩和期待
・豪賃金指数上ブレ
足元の豪ドル/円は1週間ぶり高値へと持ち直す展開
10日に発表された米10月消費者物価指数(CPI)の鈍化をきっかけにドル/円が下落した動きにつれて、11日には92.60円前後まで下落しました。しかし、ドルが全面的に下落する中で豪ドル/米ドルが上昇したため豪ドル/円の下値は限定的でした。ゼロコロナ政策の緩和期待などで中国株と人民元が上昇した15日には94円台半ばまで反発。この日発表された豪中銀(RBA)議事録では、住宅価格の下落を警戒して利上げ幅を小幅にとどめた経緯が明らかになりましたが、豪ドル相場への影響は限定的でした。16日も豪7-9月期賃金指数の上ブレなどから豪ドルの堅調推移が続き、1週間ぶりに94.60円台へと上昇する場面もありました。
注目ポイントは10月雇用統計
17日に豪10月雇用統計が発表されます。16日に発表された7-9月期賃金指数は前年比+3.1%と予想以上の伸びとなりました。RBAは、将来の利上げについて「規模とタイミングは、今後のデータとインフレ・労働市場の見通しに関する理事会の評価によって決定される」としています。10月の雇用統計で豪州の労働市場に過熱感が生じれば、RBAが12月にも利上げ幅を再び50bp(0.50%ポイント)に拡大するとの観測が広がる可能性があります。豪10月雇用統計の市場予想は新規雇用者数1.50万人増、失業率3.5%、労働参加率66.6%などとなっています。なお、失業率は歴史的な低水準にあり、反対に労働参加率は歴史的な高水準にあります。このため、新規雇用者は大幅には増えにくい状況と考えられています。
来週までの豪ドル/円の見通し
予想レンジ
92.750円~96.250円
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
☆11/17 豪10月雇用統計
・ 主要国株価、国際商品価格
「為替チャート|豪ドル/円(AUDJPY)|60分足」はこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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