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FX「分割エントリーと分割の利食いを活用して勝率を改善しよう」元大手邦銀ディーラーが教える FX実力アップ教室 戸田裕大

FX実力アップ教室 戸田裕大

こんにちは、戸田です。

本シリーズでは「負けないFXトレーダーを育てる」をコンセプトに、過去に為替ディーラーとして様々な失敗を経験してきた私が、どのように工夫して少しずつ上達していったのか体験談をお伝えしていきます。新人ディーラー(新人の個人投資家)にありがちな落とし穴と、その対策などを通じて、読者のみなさまの実力UPの参考にして頂きたいと考えています。

第11回目は「分割エントリーと分割の利食いを活用して勝率を改善しよう」です。早速みていきましょう。

目次

1.そもそも分割エントリーと分割の利食いとは?
2.分割エントリーと分割の利食いの活用方法を実践形式でみていく
3.凄腕ディーラーは実際にどうしているの?

1.そもそも分割エントリーと分割の利食いとは?

新規エントリーや利食いの方法として、もともと買いたい(または売りたい)金額を一回で買う一球入魂タイプと、何回かにわけて買う(または売る)分割タイプの2種類があります。今回はその後者のエントリー方法や利食い方法、すなわち分割エントリーと分割の利食いについて解説したいと思います。

 

2.分割エントリーと分割の利食いの活用方法を実践形式でみていく

足元のドル円チャート(日足)をみながら解説したいと思います。

USD/JPY 日足
現在の水準:114.35
レジスタンス:114.40
サポート:112.20
※ブログ上で見やすくするために日足を用いています

ドル円は先々週に一時114.70円まで上昇したのですが、先週は一時113.25円まで下落するなど調整地合いが続きました。なお先週末からは再度上昇に転じて、レポート作成時点のレートは114.35円です。

先週113.25円まで下落したタイミングは結果としてはドル円の買い場だったわけですけれども、実際にそこでドル円を買えている方は少ないと思います。偉そうに書いていますが、私も買えなかったうちの一人です。

ドル円は3週間前に112.20円を上抜けて勢いよく上昇しました。その後も上昇は続き、先々週に114.70円まで上昇しましたが、このレベルでの滞在時間は極めて短かったです。そこで112.20円を上昇の起点としつつ、レジスタンス(上値抵抗)は滞在時間の長かった114.40円としたいと思います。すると112.20円(上昇の起点)と114.40円(上値抵抗)のいわゆる「半値戻しの水準」が113.30円付近で、上昇局面の短期的な調整、すなわち「買い場」とも考えられました。

ですが実際にその「買い場」を迎えた時はまさにドル円は下落しており、上がる気配など微塵も感じさせないことが多いです。ここで買ったらまずまちがいなく奈落に落とされる、そういった雰囲気が充満しています。ですからなかなか手がでないわけです

こういった時に少額のエントリーを行う、すなわち分割のエントリーを行うのも悪くないと振り返っている次第です。一球入魂でベストプライスを捉える、これは確かに理想的ですが、実際には正確に捉えられないことも多いので、ある程度113.30円より下は買い下がっていくというつもりで買えれば良かったのではないかと振り返っています。

それから執筆段階ではドル円は再度114.40円のレジスタンス(上値抵抗)を試しています。クリアに抜ければ上に走りそうな雰囲気もありますよね?少なくとも私にはそのように映っています。

ですがこれもまた抜けないことも多いです。そういった場合には例えばここで1/3ないしは2/3を利食いして様子をみるということも考えられると思います。下で買っていればの話ですが・・・

以上が分割エントリーと分割利食いの考え方、活用方法になります。

メリットは大きな損失を回避しつつ、利食いの逃しを少なくすることです。一方でデメリットは一球入魂と比べると利益が少なくなってしまうことだと思います

ですが精神的な負担は減りますし、もしレンジ相場が継続する場合には上で利食い、下で買戻しと持ち値を改善していくことも出来ると思います。また上に抜けて行った場合にも分割利食いをしています(全部利食いはしていない)ので、多少はドル買いのポジションが残っているはずです

分割のエントリーと利食いはそれぞれ役に立つトレードの考え方だと思いますので、お役立て頂ければ幸いです。

 

3.凄腕ディーラーは実際にどうしているの?

では実際に勝っている凄腕ディーラーの方々はどうしているのか?気になるところだと思います。

これは結論から申し上げると「その人による」ということになります。私が見てきた中で、分割回数が10回にも及ぶような人もいれば、2~3回、場合によっては一球入魂タイプの方もいました。

これは性格によると思います。精神的に負荷がかかるのは間違いなく一球入魂タイプですが、仮に相場観が当たっていた場合に最も見返りが大きいのも一球入魂タイプです。

10回に分割して利食いやエントリーをされていた凄腕ディーラーの方は机の上に「利食い千人力」と言うお札を貼っていました。またきめ細かに利食いや損切りを行っているため安定感は抜群だったと思います。

一方で一球入魂タイプの凄腕ディーラーの方はとにかくロットが大きかったのが印象的です。まるで動じない、「泰然自若」とでも言いましょうか、ちょっとやそっとの変動はまるで意に介さず、勝つときの金額は半端ではなかったです。

どちらの方も相場を見通す腕が超一流なので最終的に勝ちます。ただしエントリーや利食いのやり方はそれぞれです。つまりそこは性格によると言うことだと思います

私は10回とまでは行かないですけれども、どちらかと言うとこまめにエントリーしたり利食いしたりすることが多いです。これは自分の性格だと思います。

みなさんはどちらが合っていますか?

ぜひ色々と試してみて、自分に合ったトレードスタイルを確立されてください。


それでは本日はここまでとなります。
引き続き一緒に学んでいきましょう。


戸田裕大

<参考資料>
ドル円チャート:Investing.com

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株式会社トレジャリー・パートナーズ 代表取締役 戸田裕大氏
2007年、中央大学法学部卒業後、三井住友銀行へ入行。10年間外国為替業務を担当する中で、ボードディーラーとして数十億ドル/日の取引を執行すると共に、 日本と中国にて計750社の為替リスク管理に対する支援を実施。2019年9月CEIBS(China Europe International Business School)にて経営学修士を取得。現在は法人向けにトレジャリー業務(為替・金利・資金)に関するサービスを提供するかたわら、為替相場講演会に多数、登壇している。著書に『米中金融戦争─香港情勢と通貨覇権争いの行方』(扶桑社/ 2020 年)『ウクライナ侵攻後の世界経済─インフレと金融マーケットの行方』(扶桑社/ 2022 年)。
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