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FX「一日の流れ(イベント)を把握しトレードに役立てよう」元大手邦銀ディーラーが教える FX実力アップ教室 戸田裕大

FX実力アップ教室 戸田裕大

こんにちは、戸田です。

本シリーズでは、「負けないFXトレーダーを育てる」をコンセプトに、過去に為替ディーラーとして様々な失敗を経験してきた私が、どのように工夫して少しずつ上達していったのか体験談をお伝えしていきます。新人ディーラー(新人の個人投資家)にありがちな落とし穴と、その対策などを通じて、読者のみなさまの実力UPの参考にして頂きたいと考えています。

第9回目は「一日の流れ(イベント)を把握しトレードに役立てよう」です。早速みていきましょう。

目次

1.FX市場の特性を理解する
2. 実際の一日の流れを体感する
3. 実際に手を動かしてみよう

1.FX市場の特性を理解する

FXはその市場の特性として24時間取引が行われるため、私たちはついつい「時間の概念」を軽視してしまい、チャート分析やテクニカル分析に終始してしまうことがあると思います。

しかしどんなにチャートやレートを眺めても相場が動きにくい時間帯や、相場が反転しやすい時間帯があると考えます。あくまで経験則であり、正確にデータを取得しているわけではないのですが、まず間違いない事実として自分の中では確信しています。

例えば現在ですと22:30はFXの値動きが起こりやすいです。これは一体どういうことだと思いますか?

NY証券取引所は現地の9:30、夏時間ですと日本時間の22:30に開場します。この時間には前日からの世界中の米株注文が一斉に処理されますので、この時点で売買の注文に偏りがあるとそれだけで大きな株価の動きに繋がるのです。

米株が上昇すれば、市場の雰囲気は改善します。FXで考えてみると円売り新興国通貨買いのキャリートレードが発生しやすくなります。

22:30はあくまで一つの重要な時間帯に過ぎません。実は他にもこう言った時間帯が複数存在します。

みなさんはそれらをきちんと押さえて取引をしていますか?

取引しているのであれば今日の話題は簡単すぎるかも知れません。ですが、もしそこまで意識していないということであれば、チャート分析の前に本日の内容を正しく理解することをおススメしたいです。

なぜおススメしたいのかと申しますと、私は昔に熱心にチャート分析を行った割に上手くいかなかった経験があるのですが、その後にFX市場の特性を正しく理解するよう努めたことで損益が改善した経験があるからです。ですからこれをキッカケに一歩レベルアップできる可能性は高いと思います。

2.実際の一日の流れを体感する

では簡単に1日の流れを追っていきましょう。ここでの時間帯は夏時間で統一させてください。冬時間になればまた一時間ずれますが、夏時間を前提に話を進めていきます。早速みていきましょう。
実は外為市場の朝は、オーストラリアはシドニーから始まります。月曜日明け方の3時頃をシドニーオープンと呼びまして、ここから外為市場は少しずつ動き出します。

土日に大きな政治的イベントが開かれるとこのシドニーオープンで急激に相場を織り込むことになります。従って週末に大きなイベントを控えている時は金曜日にポジションを閉じるプレイヤーが多いです。これは、月曜日早朝は流動性が低かったり、そもそもFX会社がサービスを提供していなかったり、私たち投資家は朝早すぎて起きれない人も多いからです(笑)
次は9時です。9時は東京証券取引所がオープンします。当然、前日のクローズ後の日本株の注文はこの時間帯に処理しますので、ここで日本株は一斉に動きが出ます。

それから9:55分には「仲値」があります。仲値とは銀行が提示する一日の参考レートです。企業の会計処理などの基準レートとして用いられます。
企業は基準レートから大きく振れるとそれが為替差損益として計上されるので、なるべく「仲値」に近いレートで為替取引を行いたい意向があります。したがって貿易などで両替が必要な多くの企業がこの時間に取引を行います。
そのため、いわゆる「実需」の取引が多くなる時間帯です。実需取引の傾向は日によっても異なるのですが、これを分析し収益機会と捉える投資家も多いです。

15:00に東京証券取引所がクローズしたあとは、16:00~17:00にかけてロンドン勢が入ってきます。ロンドンの朝8:00~9:00頃ですね。実は外為取引が世界で最も多いのはロンドン市場です。ですからこの時間帯の値動き(ロンドン勢の動き)は注目に値します。

そして21:30には米国経済指標の発表が集中し、22:30は前述のNY証券取引所がオープンです。
さらに23:00にはNYオプションカットと呼ばれるオプションの時限を迎えます。オプションの説明は割愛しますが、簡単に言ってしまえばこの時間をもって、買い注文や売り注文の一部が消失します。したがって意識されていた上値レジスタンスや下値サポートの水準を、この時間以降に突破する可能性があります。※実際は注文状況によります
その後24:00にはロンドン・フィキシングと呼ばれるロンドンの「仲値」があります。特に月末、期末では取引が多くなる傾向がありますのでこの傾向を読みといて売買に役立てる投資家も多いです。
これでだいたいのイベントは終わりになります。そうしてNYの午後は静かな相場が多いです。6:00にはNYクローズを迎えます。

いかがだったでしょうか?主要な点だけお伝えしたつもりですが、おおむね抑えられていますでしょうか?

知らないことが多かったと言う方は、チャート分析よりも、まずはこう言った時間帯とその特徴をおさえることを優先して行うと効果が高いと思います。

3.実際に手を動かしてみよう

私は今お伝えしたことをより細かくエクセルシートにまとめて、日々自分の気付きがあれば更新して取引に活かしています。だいたいそのエクセルは一日中、開きっ放しですね(笑)
このエクセルシートを作ったきっかけは実務からでした。私は銀行の外為実務者だったので仲値の決定や、アナウンス、連絡、それから自分の忘れそうなことをエクセルにまとめて毎日プリントアウトして手元に置いていました(紙の無駄と言うご指摘が聞こえてきそうで怖いですが・・・)。そしてそれに株や債券、経済指標などのイベントも追記していって、もともとは業務備忘録だったものが、「トレード備忘録」に変化していきました。
結果としていくら儲かりましたという定量的なことは詳細には分からないのですが、トレードの質はかなり改善したと思います。
あまり時間帯を意識していなかったと言う方は、これを機にエクセルなどに時間帯をまとめてみると取引の役に立つと思います。その時は自分の言葉や気づいたことの羅列で結構です。最初から完璧なものは作れないと思いますので一歩ずつで問題ありません。
そして可能ならその値動きだけでなく、背景にある事象を理解できるように努めてみてください。もしわからないことがあればまとめておいていただいて、外為どっとコムさんのセミナーなどの機会に、まとめてご質問をして頂ければ可能な限りお答えいたします。
きっとPL(損益)の改善効果は高いと思いますので、チャレンジしてみて頂ければ幸いです。
それでは本日はここまでとなります。
引き続き一緒に学んでいきましょう。

戸田裕大

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株式会社トレジャリー・パートナーズ 代表取締役 戸田裕大 (とだ・ゆうだい)氏
代表を務めるトレジャリー・パートナーズでは専門家の知見と、テクノロジーを活用して金融マーケットの見通しを提供。その相場観を頼る企業や投資家も多い。 三井住友銀行では10年間外国為替業務を担当する中で、ボードディーラーとして数十億ドル/日の取引を執行すると共に、日本と中国にて計750社の為替リスク管理に対する支援を実施。著書に『米中金融戦争─香港情勢と通貨覇権争いの行方』(扶桑社/ 2020 年)『ウクライナ侵攻後の世界経済─インフレと金融マーケットの行方』(扶桑社/ 2022年)。
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