総括
春節入り。人民元の上昇はあるが遅々。ハンセン株価指数の上昇が不気味
予想レンジ 人民元/円 16.0-16.5
(ポイント)
*人民元は年初来で2位の強さ。ただその歩みは遅い
*春節入り2月11日から17日、香港は11日から15日
*ハンセン指数は引き続き上昇、3万台のせ
*1月生産者物価上昇、消費者物価は低下
*中東欧からの輸入増加を計画
*1月新規人民元建て融資が過去最高
*1月PMIは悪化
*2020年の経常収支は3000億ドル、ドイツを抜き首位に
*短期金利が6年ぶり水準に急上昇
*MSCIは中国企業5社を株価指数から除外
*コロナ禍でも20年は2.3%成長
*GDPは100兆元を達成
*20年消費者物価は2.5%上昇
*人民元指数の構成比率を調整、一時元が急騰した
*輸出管理法を施行
*海外資本の中国債券市場への流入が続く
*2035年までにGDP倍増、5年内の高所得国入り目指す
*双循環がキーワード 国内循環と海外循環
*2022年は米中国交回復50年
*2021年は共産党建党100年
*米国は中国の為替操作国の認定解除
(人民元の上昇はあるが遅々)
2028年に米国をGDPで凌ぐと予想されている中国。経済力を背景にマイペースの通貨運営を行っている。それは、米中貿易対立、豪とのウィルス調査問題、香港問題、台湾問題、ウィグル問題などど同じように他者の意見はほぼ受け入れない。膨大な経済力と経常黒字でも人民元の上昇は通貨バスケット制度に基づいて遅々たるものだ。それが中国のやり方。他の問題と同じくG7,G20で批判されていても通貨政策は変わらないだろう。通貨バスケットのドルの構成比を若干低下させて相場の変動はやや大きくしているが、人民元相場に大きな影響はない。今年は若干ドル高なので、若干人民元高という管理相場だ。
この流れは続いていくだろう。人民元が完全な変動相場となるのはいつかは想像がつかない。 もちろん、経済力に反しての急激な人民元安を導くほどの非合理なこともやらないだろう。その程度の国際協調の精神はある。
(中国物価動向 1月)
1月の生産者物価は前年比0.3%上昇と、1年ぶりに上昇に転じた。伸び率は2019年5月以来の大きさで工業部門の回復の勢いが増していることを示した。
消費者物価は前年比0.3%低下。12月は0.2%上昇していた。生産段階のコストが消費者コストを上回るのは2年余りぶり。
今年の中国経済は8.4%成長となる見通し。ただ、先月から首都北京周辺で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、生産の一時中断に対する懸念が高まっている。
中国は貿易統計や鉱工業生産、小売売上高などの主要指標について、1月分の公表は行わず、3月に1-2月分をまとめて発表する。このため、市場が中国経済の状況を評価する手掛かりは少ないことになる。
(中東欧からの輸入を今後5年で拡大へ)
習近平国家主席は、中東欧から今後5年間で1700億ドル以上のモノを輸入する計画だと明らかにした。中東欧17カ国との首脳会議で、域内産農産物の輸入を倍増させると述べた。
習主席は、中国の中東欧諸国との貿易は過去9年間で約85%増加したと指摘。「中東欧諸国からの農産品輸入を倍増させ、向こう5年間で双方の農産品貿易を50%押し上げるために、農業協力を一段と深化させる必要がある」と述べた。
今回の首脳会議に参加した中東欧17カ国のうち、12カ国がEU加盟国。
(1月新規人民元建て融資が過去最高)
1月の新規人民元建て融資は季節的な需要の増加を背景に過去最高を記録した。新規人民元建て融資は3兆5800億元と前年同月の3兆3400億元を上回った。 中国の銀行は質の高い顧客の獲得と市場シェアの拡大を狙って年初に融資を前倒しで実行する傾向がある。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン上限から反落
日足、2月8日のボリバン2σ上限で長い上ヒゲを出し反落。1月27日-28日の上昇ラインがサポート。2月9日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足。1月11日週-18日週の下降ラインを上抜きボリバン2σ上限へ。1月4週-25日週の上昇ラインがサポート。
月足、6か月連続陽線。2021年2月も陽線スタート。11月-1月の上昇ラインがサポート。。ボリバン2σ上限。3σ上限は16.58。
2020年は年足陽転。11年-20年の上昇ラインがサポート。18年-19年の下降ライン上抜いて2021年はオープン。 16年-18年の下降ラインが上値抵抗だが現在は上抜けトライ中。
チーファンラマ
米国防総省、対中戦略見直し
バイデン米大統領は、国防総省が対中戦略を見直すと発表した。機密情報や技術、アジア太平洋地域における米軍のプレゼンスに絡む分野に焦点を当てるという。
バイデン大統領は就任後初めて国防総省を訪れ、政府機関の連携に加え、議会での超党派の支持、同盟国との結束を通じ「中国に関連する問題に対応する」と表明した。
オースティン長官はこれまでに、対中戦略を優先課題とするトランプ前政権の方針を継続する構えを示唆している。
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