FX取引で大きな損失を出し、多額の資産を失い、泣く泣く市場から退場していく人たちの数は少なくありません。
その一方で、コツコツと着実に利益を得ている人たちも大勢います。
いったい両者の違いはどこにあるのでしょうか。
その理由のひとつに挙げられるのが、「FX取引をする際のルールを適切に設けているか否か」ということでしょう。
これからFX取引を始める初心者が失敗しないために、どのようなルールを設定し、どのようにそのルールを守っていくべきなのか考えてみます。
ハイリスク・ハイリターンだからこそルールが必要
他の金融商品にはないFX最大の特徴は「レバレッジ」が使えることでしょう。
レバレッジとは、元手資金の何倍もの金額で、取引ができる仕組みのことです。
例えば、「レバレッジ4倍」で取引する場合、100万円の元手で400万円を運用することになります。
つまり、レバレッジを使うと、手持ち資金が少なくても大きな金額で運用できるので、より大きな利益が狙えるわけです。
ただ、その一方で、当然のことですが、大きな損失を被るリスクも高くなります。
それがFXの取引であり、FXが「ハイリスク・ハイリターンの金融商品」といわれるゆえんでもあります。
ところが、「それならバカ儲けができそうだ」とチャンスに目がくらみ、後先を考えずに突き進んだ末に、大失敗をしてしまう人がいます。
人間とは心が弱いものです。
だからこそ、着実に利益をあげて資産を形成していくために、勇み足をしないために、歯止めとなる明確なルールを立てて、それをもとにFX投資を行う必要があるのです。
FX初心者が知っておきたいFXの基本ルール
ここでFX投資初心者が守るべき基本的なルールを5つ挙げておきましょう。
1)エントリーポイント
エントリーポイントとは、特定の通貨ペアの「買い」ポジション、または、「売り」ポジションを持つ際の為替水準のことを指します。
何となく「上がりそうだから(下がりそうだから)エントリーしてみよう」ではなく、「移動平均線」、「ボリンジャーバンド」「レジスタンスライン」「サポートライン」といったテクニカル分析を活用しながら、「チャートや指標が、こうなったときにはエントリーする」という自分なりのルールを確立しましょう。
つまり、最適のエントリーポイントが見極められるようにならなければならないのです。
ベストなタイミングが見つからないときは、エントリーしないことも大切なのです。
2)損切り
「損切り」とは、含み損を抱えたポジションを決済し、損失を確定させることです。
「一円でも損はしたくない」そう思うのが人間です。
「もう少し粘れば、相場が反転して損を減らせるのではないか」という感情が働いて、決済の「ふんぎり」がつかず、ついつい損切りは遅くなりがちです。
そうこうするうちに、損がどんどんと膨らんで、多額の資産を失い、「もっと早く損切りしておけば…」と、泣く泣く「退場」させられる人が後を絶ちません。
しかしながら、この損切りのタイミングは、本当に難しいのです。
「含み損が1万円になったら損切りする」とか「この水準まで相場が下落したら損失を確定させる」とか、明確なルールを事前に決めておき、感情に流されることなく、ルールに従って損切りをしましょう。
3)利益確定
利益確定(利食い)は損切りと逆に、ポジションを決済して利益を確定させることです。
「このままいけば、もっと稼げる。
まだ売らない」と粘っていると相場が急転し、あっという間に含み益が吹き飛んでしまった…なんてことは珍しくありません。
損切りと同様に、「この水準まで来たら一度利益を確定」「1万円の含み益となったら確実に利益を確保」など、前もってルールを決めておきましょう。
4)資金管理
FX取引はハイリスク・ハイリターンの金融商品です。
適切な資金管理のもと、あくまでも余裕資金で取引を行うようにしましょう。
FXに限らず、投資に生活資金を回すのはもってのほかです。
もし、それで損失が発生したら、もはや冷静な取引判断など不可能です。
市場からの退場どころでは、済まない事態に陥るかもしれません。
5)目標設定
最後のルールが「目標設定」です。
目標が定まっていなければ、どのような取引スタイルでどの程度の取引を行うのか、1回の取引でいくらの利益を得れば良いのかなど、目標が設定されていないと、自身の運用状況を正確に評価できません。
FX初心者は、急に大金を儲けようとするのではなく、まず、市場の特性や取引の仕方などを熟知するためにも、レバレッジは2倍程度に低く抑えて、あまり欲張らず、コツコツと利益を積み重ねるくらいの気持ちで臨むのが良いでしょう。
自分の性格、投資スタイルに合った自分なりのルールを確立
さて、今回はFX取引におけるルール設定の重要性についてご説明しました。
投資ルールは個人のライフスタイル(FXに使える時間)や投資手法などによって異なってきます。
限られた時間の中で、どのようにエントリーポイントを決めるのか、一日のいつ、何度取引ができるのかなど、さまざまな条件を吟味した上で、自分自身に最も合った明確なルールを確立しましょう。
PickUp編集部