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【ファイナンス】資産運用の第一歩、財務諸表のミカタ

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少子高齢化が進む日本は、高齢者も自助努力で資産形成しなければならない時代に突入しています。
充実したライフプランを実現させるために、株式や債券、REIT(不動産投資信託)などの金融商品で、資産運用を検討されている方もいらっしゃることでしょう。
資産運用を始める際に身につけておきたい大切なスキルのひとつが、企業を的確に分析するための「財務諸表」の分析能力です。
そこで今回は、財務諸表の仕組みやそれぞれの役割、さらに財務諸表から知ることができる代表的な財務分析指標も解説してみましょう。

財務諸表と財務三表

財務諸表とは、数字を用いて客観的に企業の財政状態や経営状況を把握できる計算書一式です。
みなさんが人間ドックや健康診断の受診結果で健康状態を知るように、財務諸表があれば、企業の収益体質や費用構造、利益状況などを把握し、客観的な企業分析を行うことができます。
世界中の多くの"プロ"投資家も、企業から開示される財務諸表を精緻に分析した上で投資判断を下しており、資産運用を始める個人投資家にとっても非常に大切な企業分析ツールとなります。

財務諸表の中でも代表的なものが、「貸借対照表(Balance Sheet、B/S)」、「損益計算書(Profit & Loss Statement, P/L)」、「キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement, C/F)」という3種類の決算書類から構成される「財務三表」です。
財務三表を読み解くことで、企業の収益性、安全性、生産性、成長性などを分析し、企業が抱える課題を見つけたり、業界内比較に役立てたりします。

貸借対照表とは?

貸借対照表(バランスシート、B/S)は、企業の財政状態を示す計算書です。
資産・負債・純資産(自己資本)の3つから成り立っています。

図表1に貸借対照表の簡単なイメージ図をあげます。
空欄の部分に、それぞれの企業が有する「資産」や支払う必要がある「負債」、企業の手元に残る「純資産」を確認できます。
なお、「流動資産」とは1年以内に現金化できる資産のことを指し、「固定資産」は1年以上現金化できない資産のことです。
同様に「流動負債」は1年以内に返済が必要な負債、「固定負債」は支払い期限が1年以上先になる負債を指します。

(図表1)貸借対照表イメージ図

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損益計算書とは?

損益計算書(P/L)とは、その名の通り、収益から費用を引いた利益を示すことから、企業の経営状況が把握できる計算書です。
図表2は損益計算書の簡略図です。
利益には、いわゆる粗利と呼ばれる「売上総利益」や企業の総合的な利益を示す「経常利益」、最終的に企業に残る利益である「当期利益」などがあります。
なお、特別利益(もしくは損失)とは、不動産や株式の売却損益など、企業の通常業務とは関わりがないような特別な要因によって生じる利益、もしくは損失のことを指しています。

(図表2)損益計算書イメージ図

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キャッシュフロー計算書とは?

財務三表の3つ目がキャッシュフロー計算書(C/F)です。
キャッシュフローとは「現金の流れ」という意味で、この計算書は、「営業活動によるキャッシュフロー」、「投資活動によるキャッシュフロー」、「財務活動によるキャッシュフロー」の3つの視点から、企業の実際の現金の流れを把握できる計算書となります。

代表的な財務分析指標を使いこなせ

そこで、企業の収益性、安全性、成長性などを捉えるために、貸借対照表や損益計算書など代表的な財務分析指標をみていきます。

まずひとつ目が、ROE(Return On Equity, 自己資本利益率)です。
これは企業が自己資本をどれだけ有効活用し、利益を上げているかを示す指標です。
ROEの計算式は下記の通りとなります。

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

一般的にROEが高水準で推移する企業は、収益性や成長性が高いとみなし、株主への利益還元も期待できます。
日本ではROEが約8%以上の水準になると株式市場でも評価を得られているようです。

そして、もうひとつROEと似たROA(Return On Asset, 総資産利益率)という財務指標があります。
これは、企業が保有する総資産を、どれだけ効率的に活用し、利益を上げられたかという企業の総合的な収益性を示します。
日本の全産業平均のROAは3.0%から3.5%が、ひとつの平均的な目安となっているようです。
ROAの計算式は下記の通りです。

ROA(%)=当期純利益÷総資産×100

財務諸表を活用した企業分析を行う際、財務三表はそれぞれが密接につながっているため、三者を複合的な視点で分析することが大切です。
具体的には貸借対照表により、お金の調達、およびその使い道を知り、損益計算書では、そのお金を利用して、どれだけの利益が生み出されたかを確認し、キャッシュフロー計算書で、実際のお金の流れを把握することになります。

こうした財務諸表の見方を理解することは、家計のやり繰りや家庭の資産管理にも応用ができます。
例えば、住宅ローンなどの負債が、貸借対照表の大きな部分を占め、家計を圧迫していないかを確認したり、月々のキャッシュフローの流れを把握して、資産の的確な管理を行ったりといった具合にです。

さて、今回は財務三表を構成する貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、それぞれの基本的な見方や、すぐにでも活用できる代表的な財務分析指標について考えてみました。
財務分析指標に関しては、四半期や年次など期間比較や、同業他社との比較分析にも活用できます。
みなさん一人ひとりが、独自の視点から企業を分析するアナリストとして、財務分析を生かした資産運用を手掛けてみましょう。


PickUp編集部