本日のロンドン為替市場でユーロは、昨日のECB利上げ決定を経て、次の手がかりを探る展開となりそうだ。中東情勢を巡っては目まぐるしく状況が変わっており、ヘッドラインに振られやすい地合いが続く。ポンドは欧州序盤の英指標発表とともに、不安定な政局にも注意が必要だ。
ECBは昨日、2023年9月以来約2年9カ月ぶりの利上げに踏み切った。ラガルド総裁は全会一致の決定を強調しつつも「二次的効果の前段階には至っていない」と慎重な表現にとどめた。インフレ見通しについては3.0%(従来2.6%)に上方修正する一方、成長見通しは0.8%(同0.9%)に下方修正し、関係筋からはエネルギー価格が現状維持なら7月は据え置きとの見方も浮上。追加利上げ期待がそのままユーロ買いにつながりにくい状況だ。
本日は欧州前半にコッハー・オーストリア中銀総裁とレーン・フィンランド中銀総裁が発言予定で、後半にはナーゲル独連銀総裁の講演も控える。ラガルド総裁の慎重姿勢に対し、各メンバーがどの程度の引き締め的な姿勢を示すかが注目点だ。
一方、中東情勢は引き続き不安定だ。昨日はトランプ大統領の発言が攻撃強化示唆から中止へと転じ、原油は急騰と急落を繰り返し、為替も神経質に上下した。トランプ氏の発言一つで相場が揺れる構図は変わっておらず、原油が再び上昇に転じればインフレ懸念と景気不安が交錯する難しい地合いが続くことになる。
ポンドは欧州序盤の4月英GDP(前月比予想-0.1%)で足もとの景気を確認する。来週の英中銀会合は据え置き見通しが大勢で、数字のぶれが政策観測を動かす可能性は低い。それよりも市場が気にするのはスターマー政権の足もとだろう。11日には国防相のヒーリー氏が防衛投資の不足を理由に辞任し、政権への不満を公にした。主要閣僚の離脱は求心力低下を印象づけており、来週のメイカーフィールド補選の結果とともにポンドの上値を抑える要因となりそうだ。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1648ドル
・ポンドドル、5日高値1.3483ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、 8日安値1.1500ドル
・ポンドドル、8日安値1.3306ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
