本日のロンドン為替市場では、ポンドの方向感が主要通貨全体を左右する展開となりそうだ。昨日は、英中銀の金融政策委員会(MPC)でチーフエコノミストのピル委員が、単独で利上げを主張したことが明らかとなった。同委員の講演が本日予定されており、内容次第でポンド相場を動かす可能性がある。またドル円は、円安方向に振れるようならば本邦通貨当局による介入は警戒すべきだろう。
今週の会合で英MPCは、8対1で「政策金利、3.75%で据え置き」を決めた。ピル委員のみが対票を投じたが、それがチーフエコノミストとなれば、今後の政策方向性への影響は小さくない。英中銀はイラン戦争の影響について3つのシナリオを示し、最悪の場合は「強力な利上げ」が正当化されるとした。ベイリー総裁は年内2回超の利上げを否定しなかったが、同時に「約束ではない」と釘も刺した。
英国は天然ガス依存度が高く、エネルギー高騰への耐性は欧州でも脆弱な部類に入る。企業の価格転嫁圧力も増しており、ピル委員の主張が他のMPC委員に浸透するかがポンドの次の焦点だろう。
ユーロドルは独仏のメーデーで市場参加者が薄く、値幅が出にくいだろう。前日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、市場予想通りに政策金利が据え置かれた。もっとも、ラガルド総裁は6月の利上げ検討を示唆し、短期金融市場はすでに年内3回の引き上げを織り込んでいる。
ただ、イラン情勢は再び緊張の度を高めているのは懸念材料。イランの新最高指導者が核・ミサイル技術の放棄を拒否し、ホルムズ海峡の支配維持を宣言した。トランプ米大統領も海上封鎖の継続を明言しており、原油相場は高止まったままだ。インフレと景気下振れが同時進行するスタグフレーション懸念は払拭されておらず、ECBの利上げ観測がユーロを支える一方、地政学リスクが重荷となる構図はしばらく続くだろう。
ドル円は、日本がゴールデンウイーク中で流動性が低下しており、昨日の介入観測(円は一時155円57銭まで急伸)の余韻が残る。三村財務官は本日「大型連休はまだ序盤」と述べ、追加対応の可能性を示唆した。介入が単発で終わらないことは過去の経験則が示しており、再び円安が進めば当局が動く公算は高い。
想定レンジ上限
・ポンドドル、2月11日高値1.3712ドル
・ユーロドル、4月21日高値1.1791ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.3530ドル
・ユーロドル、200日移動平均線1.1676ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
