◆豪ドルとZARともに、引き続きイラン情勢が焦点
◆豪ドル、インフレ高進の中でのRBAの見解に注目
◆ZAR、原油高止まりが南ア経済・財政に深刻な打撃
予想レンジ
豪ドル円 110.50-115.00円
南ア・ランド円 9.20-9.65円
5月4日週の展望
豪ドルは、引き続き米国とイランの和平交渉の帰趨に左右される展開が見込まれる。加えてインフレ関連指標の後の、豪準備銀行(RBA)理事会を控えており、インフレ認識の変化次第では相場が大きく振れる可能性がある
今週公表された豪州の四半期および月次の消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回ったものの、前回からは大幅にインフレが加速する結果となった。チャーマーズ豪財務相がCPI発表後に「インフレ率はさらに高い水準へ上昇する見込み」との見解を示した通り、インフレ圧力はむしろこれから本格化する局面に入りつつある。
4日から5日に開催されるRBA理事会において追加利上げ観測が強まる可能性もある。今週の日・米・欧州の主要中銀はいずれも中東情勢の影響をデータで見極める必要性を示し、慎重姿勢を強めた。ただ、豪州は小規模な開放経済であり、資源価格や貿易動向の影響を他国以上に受けやすい構造にある。さらに、住宅ローンの多くが変動金利または短期固定であることから、家計・金融機関ともにインフレへの感応度が高い。そのため政策転換も相対的に迅速となりやすく、RBAのスタンスには引き続き強い関心が向けられる。
仮に政策金利が据え置かれた場合でも、今回は「金融政策報告書(SMP)」が公表され、インフレ率や経済成長率に関する最新の見通しが示される点は見逃せない。特にインフレ見通しは前四半期から大きく修正される可能性が高く、その内容は市場の方向性を左右するだろう。
なお、その他の指標としては、4日に3月の住宅建設許可件数、7日に同月の貿易収支が発表される予定である。また隣国ニュージーランドでは、6日に1-3月期の雇用統計に加え、NZ準備銀行(RBNZ)による金融安定化レポートも公表される予定だ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い展開を予想している。来週は南アから目立った経済指標の発表が予定されておらず、引き続き中東情勢が最大の焦点となる。トランプ米大統領の発言が二転三転する中、相場は振幅の大きい展開が想定されるが、米国がイラン攻撃の着地点を描かないまま踏み切った経緯を踏まえれば、和平交渉は長期化し、原油価格は高止まりする公算が大きい。備蓄の乏しさに加え精製能力にも制約を抱える南ア経済には深刻な負担となり、ZARの上値は抑えられやすいだろう。
4月27日週の回顧
豪ドルは堅調。対円では1990年以来となる114円後半まで上昇したが、30日には日銀の為替介入で111円前半まで押し戻された。ただ、対ドルでは0.72ドルに乗せ堅調に推移したほか、対NZドルでは13年ぶりの高値を更新した。ZARは原油先物価格の急騰で、貴金属価格が軟調な動きとなったことで、南アの経済・財政悪化懸念で弱含んだ。対円では円買い介入もあり一時3月末の水準まで下げ幅を広げた。(了)
(執筆:5月1日、9:30)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
