28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、植田日銀総裁の日本時間夕刻の記者会見での発言「6月よりもう少し先のデータで物価上昇が現れる可能性」を受けて、日銀の早期利上げ期待が後退したことで一時159.79円まで上昇した。ユーロドルは、WTI原油先物が1バレル=101.85ドル前後まで上昇したことで一時1.1677ドルまで値を下げた後、UAEがOPECおよびOPECプラスを脱退することを表明したことで、原油先物価格の軟化に連れて1.1718ドル付近まで持ち直した。ユーロ円は、日銀の早期利上げ観測の後退を背景に一時186.95円と日通し高値を更新した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場で動きづらいと予想される中、イラン情勢関連のヘッドラインに警戒しながら、今夜の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果やパウエルFRB議長の最後の記者会見、そしてウォーシュ次期FRB議長の上院公聴会での承認採決を待つ展開となる。
昨日の日銀金融政策決定会合では、予想通りに政策金利0.75%の維持が決定されたが、3名の審議委員(高田委員、田村委員、中川委員)が利上げを主張したことで、タカ派的据え置きとなった。しかし、植田日銀総裁が「6月よりもう少し先のデータで物価上昇が表れる可能性がある」と述べたことで、円売りが優勢となった。
本日は、2024年4月29日の再現、すなわち、ドル円が160円台まで上昇した後、本邦通貨当局が過去最大規模の覆面介入を行ったことの再現に警戒しておきたい。
片山財務相は、2024年の連休中など過去の為替介入には効果があったと評価した上で、「フリーハンドで投機的な動きに断固たる措置をとる。大型連休中を含めた米国との緊密な連携」に言及していた。
2024年4月26日(金曜日)の日銀金融政策決定会合でも、金融政策の現状維持が決定され、植田日銀総裁の会見では、最近の円安について「基調的な物価上昇率への大きな影響はないと判断した」と述べたことで、ドル円は158円台まで上昇した。
4月29日(月曜日)、東京市場が休場だったアジア市場で、ドル円は160.17円まで上昇したが、13時過ぎに本邦通貨当局による覆面でのドル売り・円買い介入(5兆9185億円※過去最大)が断行され、154円台まで反落した。
10時30分に発表される3月豪消費者物価指数(CPI)の予想は前年比+4.8%、1-3月期豪CPIの予想は前期比+1.4%となっている。原油価格上昇の影響を見極めつつ、5月4-5日の豪準備銀行(RBA)理事会での利上げの可能性を探ることになる。
FOMCでは、政策FF金利誘導目標3.50-75%の据え置きが見込まれており、注目ポイントは、声明文では、利上げを含む可能性を盛り込む形に文言が修正されるかどうか、フォワードガイダンスの文言で政策が上下双方向に動くリスクを示唆するかどうか、などが注目されている。
そして、5月15日に任期満了を迎えるパウエルFRB議長の最後の記者会見での金融政策への言及となる。
また、先日、FRB議長の任期が満了した後、FRB理事(※任期:2028年1月31日)として残ることを示唆しており、発言に注目しておきたい。
ウォーシュ次期FRB議長は、4月21日に上院銀行委員会での承認公聴会に臨んだが、証言内容はタカ派とハト派が混在していた。
本日の上院銀行委員会(民主党議員:11名・共和党議員:13名)での承認採決は、パウエルFRB議長が連邦検察当局の捜査対象となっている間はウォーシュ氏の承認を阻止する考えを示していたティリス議員(共和党)が、司法省が捜査を打ち切ったことを受けて、賛成に回ることで、承認されることが見込まれている。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
