昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。米国とイランの停戦合意に向けた協議が難航するとの警戒からリスク回避の動きが継続し、ドル円は159.85円まで上昇した。米長期金利の上昇も重しに、ユーロドルは1.1520ドルまで安値を更新した。
東京タイムでは目立つ経済指標の発表も予定されておらず、ドル円は中東情勢を手掛かりとした底堅い動きが続きそうだ。トランプ米大統領はイランへの軍事行動の期限を4月6日まで延期すると述べた。ただ、米の停戦案をイランが拒否しており、市場は停戦合意へ懐疑的な見方が強い。トランプ氏はイランとの停戦協議は順調だとアピールする一方で、軍事行動の強化も示唆している。円買い介入への警戒感が根強い中、ドル円は節目の160円を試す動きに持ち込めるかどうかに注目。
イラン戦争はトランプ米大統領の想定より大規模・長期的な戦争となり、同氏にとっては極めて難しい判断を迫られている。金融市場が混乱に陥り、トランプ大統領の支持率は2期目開始以降で最低の水準に落ち込んだ。そもそも戦争の目的がイランの核開発計画を縮小させるためなのか、米国とイスラエルのすべての要求をのむようイランを屈服させるためなのか、イランの体制を完全に崩壊させるためなのか、不透明感が増している。
短期戦を見込んでいたトランプ米大統領は明らかに焦っている。自ら仕掛けた戦争を成果なしで終えることもできず、イランの敗北を求めているが同国の反発は強い。トランプ氏は軍事圧力を強化し、イランの完全崩壊を目指すか、それとも停戦条件を緩めて早期の鎮静化を目指すかの選択に迫られている。もっとも、両国の停戦条件に隔たりが大きく交渉に持ち込むのは簡単ではない。中東の地政学リスクへの懸念は払しょくされず、「有事のドル買い」意欲は根強い。
イラン戦争が始まって以降は中東情勢一色の相場となっており、為替市場ではドル主役の相場が続いている。「高市政権の財政拡張を背景とした円売り」も影を潜めているが、クロス円全般が高い水準を維持しており、円売り圧力が払しょくされたわけではない。高市政権は予算案の年度内成立が困難な情勢になっていることで、不測の事態に備えた暫定予算の編成を進めている。本日には閣議決定する方針であり、一般会計の総額は8兆6000億円規模になる見通しだ。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
