9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、「トランプ米大統領はイラン攻撃の早期終結を示唆した」との報道で157.64円まで下落した。ユーロドルは1.1638ドルまで上昇した。ユーロ円は183.48円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領の発言「戦争は間もなく終わる可能性」の続報を見極める展開となる。
昨日のドル円は、東京市場で中東有事のドル買いと原油価格上昇による円売りにより158.90円まで上昇していたが、ニューヨーク市場では、トランプ米大統領が「戦争は間もなく終わる可能性がある」と述べたことで、157円台まで反落している。
ドル円のテクニカル分析では、ダブル・ボトム(152.10円・152.27円)が完成し、1月の高値159.45円を起点とする三角保ち合いの上値抵抗線を上抜けたことで、上昇トレンドに弾みが付いて158.90円まで続伸していたものの、トランプ米大統領発言で上昇は打ち消されたことで「ダマシ」となっている。
昨日は、イランの最高指導者にハメネイ師の次男で反米強硬派のモジタバ・ハメネイ師が選出されたとの報道に対して、トランプ米大統領が「大きな間違い」と不満を表明したことで、イラン戦争の長期化が懸念されていた。その後、トランプ米大統領は、自身が当初想定していた4-5週間というイランへの攻撃期間について、はるかに前倒しで進んでいるとの認識を示し、イラン戦争の終結間近と述べている。
本日は、トランプ米大統領のイラン戦争終結発言が、単なる希望的な発言なのか、それともイラン政府がトランプ米大統領による無条件降伏を受け入れたのか、続報を見極めていくことになる。
リスクシナリオは、トランプ米大統領のイラン戦争終結発言が、個人的な希望的観測だった場合であり、市場は、昨日の東京市場でのドル高、原油高、円安、株安、債券安が再燃することになるため、トランプ米大統領のSNSでの発言などには警戒しておきたい。
もし、イラン戦争が終結するのならば、中東有事のドル買いや原油価格上昇による円売り材料がなくなり、残る材料は高市政権の「責任ある積極財政政策」を背景にした「高市トレード」だけとなる。そして、158円台は日米通貨当局が協調してレートチェックを行ってドル高・円安を抑制した水準ということを改めて意識せざるを得なくなるのかもしれない。
昨日のWTI原油先物価格は、1バレル=119.48ドルまで急騰した後、「G7が原油備蓄の協調放出を議論」との報道で反落し、トランプ米大統領発言で81.20ドル前後まで急落している。G7の協議は結論に至らなかったが、本日も協議が続けられるとのことである。
WTI原油先物価格の過去最高値は2008年7月の1バレル=147.27ドルだが、背景にはイランやナイジェリアでの緊張の高まり、ブラジルでの石油関連労働者のストライキ計画などがあったことで、今後もイラン情勢には要警戒となる。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
