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【市場概況】東京為替見通し=ドル円、円買い介入警戒や総選挙への不透明感から上値が重い展開か

15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、良好な米経済指標が相次いだことで158.88円まで上昇した後、政府・日銀による為替介入への警戒感から158.41円付近まで下押しした。ユーロドルは、良好な米経済指標を受けて1.1593ドルまで下落した。ユーロ円は、ユーロドルの下落につれて183.87円まで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感や総選挙への不透明感が高まっていることで、上値が重い展開が予想される。

 ドル円は、衆議院解散・総選挙での自民党単独過半数確保との見立てを背景にした「高市トレード第3弾」により159.45円まで上昇してきたが、日米財務相会談を受けて本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性が高まったこと、総選挙への不透明感が高まったことなどから158円台に反落している。

 日米財務相会談では、片山財務相とベッセント米財務長官が円安への憂慮を共有し、為替相場の過度な変動を牽制したことで、160円を防衛ラインとするドル売り・円買い介入の可能性が高まっている。ベッセント米財務長官は片山財務相との会談の後、「過度な為替レートの変動は本質的(inherent)に望ましくない」「金融政策の健全な策定とコミュニケーションの必要性」と述べた。昨年9月の「日米財務相共同声明」や公表が遅れている米財務省の「外国為替報告書」で予想されている日銀の利上げによる円安抑制が繰り返されたことになる。

 日銀関係筋の話として、一層の円安が今後の利上げペースを速める可能性が指摘されている。三村淳財務官は、円安の影響について「輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」と語っていた。

 衆議院解散・総選挙では、自民党が前回の191議席から40議席以上を増やして単独過半数(233議席)を上回る見通しが出ていたものの、公明党と立憲民主党による新党樹立などにより、不透明感が高まっている。2024年衆院選の結果に基づく試算では、各小選挙区の公明党の基礎票(1万~2万票)が目減りすると仮定した場合、自民現職がいる小選挙区で最大42選挙区の当落が変わる可能性があるとのことで、「高市トレード」にブレーキがかかり始めている。

 また、トランプ米大統領が「パウエルFRB議長の解任計画はない」と述べたことはドル買い要因だが、「数週間以内に2人のケビンを有力候補として、次期FRB議長を発表する」と述べたことは、ハト派FRB議長の誕生は織り込み済みであるものの、ドルの上値を抑える要因となる。

 ただ、14日に予定されていた米連邦最高裁によるトランプ関税措置の合憲性を巡る判断が先送りされたことは、ドル買い要因となる。

 中国による対日輸出規制の強化、トランプ米政権によるデンマーク自治領グリーンランド領有意欲やイランへの軍事介入の可能性など、地経学的なリスクが噴出しているため、3連休の週末は「休むも相場」という踊り場になるのかもしれない。


(山下)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ