本日のNY時間でのドル円は引き続き振幅の激しい値動きになるだろうが、高市トレードによる円売りの流れは変わらないか。
ドル円は昨日14日に159.45円まで上昇したが、同日に158.10円まで弱含んだ。本日はこのレンジから抜け出すことができないでいる。14日の上げ幅が大きかったことと、市場が若干ドルロングで捕まっていることが考えられることで、160円へのトライは時間を要することになるだろう。ただ、衆議院選挙の早期実施がほぼ確実となり、2026年度の予算審議も大幅にずれこみ、財政悪化懸念の払しょくもできずに円安が進む可能性が高い。高市首相が掲げていた「責任ある積極財政」は一切責任を感じない財政拡大策で、「経済優先」も早期の解散総選挙で裏切られるなど、支持率は高いにも関わらず円売り要素が大きくなっている。
また、円安が進んでいるとはいえ、商品先物取引委員会(CFTC)が発表した最新(1月6日付)の円の先物ポジションは、いまだに円はロングになっているように、市場参加者が一方的に投機で円売りをしているような状況ではない。むしろ放漫財政への警戒感などのファンダメンタルズに沿った円安進行の中で、ドル売り・円買い介入を強引に行った場合は、これまで円売りを仕込めていない実需勢や投機筋に絶好の円売り機会を与えることにもなり、実弾介入を行うのは効果が薄い。
ただ、警戒されるのは、米政権がドル高に対しての懸念を表明しつつあること。昨日はベッセント米財務長官が「韓国のウォン安はファンダメンタルズと整合しない。為替市場の過度な変動は望ましくない」と述べているが、もともと、トランプ大統領も大統領就任前の2024年4月にドル高・円安が進行すると「米国の製造業にとって大惨事だ」と述べるなど、ドル高(アジア通貨安)については否定的な考えが強い。トランプ関税が米連邦裁判所で違憲判断になれば、通商不均衡の修正を為替で調整する可能性もうわさされていることもあり、米政権のドル高についての言動には要注意となる。
なお、本日は米経済指標は前週分の米新規失業保険申請件数などの雇用指標、1月のニューヨークとフィラデルフィア連銀製造業景気指数などが発表される。また米労働省労働統計局(BLS)が11月の米輸入物価指数も発表する。しかし、10月分が未公表であるだけでなく、ここ最近のBLSが発表する指標は、データ不備が多いことで信頼性が薄いことで市場が反応するのは難しそうだ。
・想定レンジ上限
ドル円の上値めどは、14日高値159.45円。その上は節目の160.00円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値めどは、13日安値157.90円から日足一目均衡表・転換線157.79円。
(松井)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
