13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った12月コア米消費者物価指数(CPI)を受けて158.60円付近まで値を下げた後、米長期金利の上昇を受けて159.19円まで上昇した。ユーロドルは、米12月CPI発表直後に1.1677ドルまで上昇した後、1.1634ドルまで反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、衆院解散・総選挙での高市政権単独過半数確保という見立て「高市トレード第3弾」による円売り圧力の射程を見極めながら、本邦通貨当局の防衛ラインと思われる160円に向けたドル売り・円買い介入の可能性に警戒していく展開が予想される。
ドル円は、昨年10月4日の高市総裁誕生後の「高市トレード第1弾」で153円台まで上昇し、10月21日の高市首相誕生後の「高市トレード第2弾」で157円台まで上昇し、今回の解散報道受けた「高市トレード第3弾」では昨年1月10日の高値158.87円を上抜けて159円台まで上昇している。
本邦通貨当局の防衛ラインと警戒されている160円を前に、片山財務相はベッセント米財務長官との会談で「一方的に円安が進む場面がみられて非常に憂慮している」との認識を伝達し、「ベッセント米財務長官も、こうした認識を共有した」と述べている。同行していた三村財務官は「日米の財務官レベルが外国為替相場について連携し、絶えず状況を連絡し合うことになった」と述べている。
ベッセント米財務長官は、昨年は「外国為替報告書」や「日米財務相共同声明」、そして植田日銀総裁との会談などで円安是正のための日銀の利上げを要請していたものの、今回の円安に対しては牽制する発言は聞かれない。
高い支持率を誇っている高市政権が衆議院で単独過半数を確保した場合、積極財政政策が国民の支持を得たことになり、さらなる積極財政政策が財政悪化につながるという警戒感が「高市トレード第3弾」の背景である。
しかし、円安進行は物価高を助長することで、高市政権の物価高抑制政策を損ねることになり、長期金利の上昇は企業の長期資金調達コストを引き上げて、景気抑制効果を生じさせることになりかねない。
市場では、本邦通貨当局の円買い介入を警戒しながらの円売りが進行中だが、2024年の4回の覆面介入時の高値・安値を確認しておきたい。
・4月29日(5兆9185億円)高値160.17円・安値154.54円
・5月1日(3兆8700億円)高値157.99円・安値153.04円
・7月11日(3兆1678億円)高値161.76円・安値157.44円
・7月12日(2兆3670億円)高値159.45円・安値157.38円
また、ドル売り・円買い介入の原資となる2025年12月時点の外為特会の外貨建て証券は1兆37億ドル、外貨建て預金は1604億ドル(@159円=25.5兆円)となっている。国際決済銀行(BIS)は昨夏、円キャリー取引の規模を40兆円と分析している。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
