本日は英・ユーロ圏で政策金利の発表が予定されている。
市場はイングランド銀行(英中銀、BOE)による0.25%の利下げをほぼ織り込み済み。BOEは11月会合で5対4(4人は利下げ主張)の僅差で政策金利の据え置きが決定されたことや英景気減速を背景に今週の会合での利下げ思惑が強かったが、16・17日に発表された英雇用・物価データは利下げ予想を後押しする結果となった。8-10月の失業率は5.1%と2021年1月以来の高水準、民間部門の賃金(除賞与)は前年比+3.9%と20年末以来の低い伸びと、就業者数の減少と民間部門の賃金上昇の鈍化が明らかになった。
また、11月英消費者物価指数(CPI)は前年比3.2%と前月の3.6%から予想以上に鈍化し、3月以来の低水準となった。本日の会合で政策金利を3.75%に引き下げると一部の金融政策委員会(MPC)メンバーが推計する名目の中立金利(2.25-3.25%)の上限に近づいてくる。これまで「段階的かつ慎重」と、一定のペースでの利下げを示唆してきた方針が変更されるかどうかも注目される。
なお、欧州中央銀行(ECB)は4会合連続で政策金利を2.15%(中銀預金金利2.00%)に据え置くことが確実視されている。景気見通しを上方修正し、物価上昇率も中期的には政策目標の2%で落ち着くとの見解が示されると見込まれている。今回は四半期に一度の景気・物価見通しが公表されるので、市場の焦点は来年利下げを再開するかどうかに向けられている。ECBは利下げの終了を宣言していないが、欧州経済の持ち直しや物価の落ち着きへの期待が高まっており、当面は利下げを打ち止めるとの見方が強い。
BOE・ECBの政策金利発表を通過した後、市場の目線はラガルドECB総裁の会見や11月消費者物価指数(CPI)などの米指標に向けられそうだ。
・想定レンジ上限
ポンドドルは16日高値1.3456ドルや節目の1.3500ドル。
ユーロドルは16日高値1.1804ドルや9月18日高値1.1848ドル。
・想定レンジ下限
ポンドドルは17日安値1.3312ドルや日足一目均衡表・基準線1.3247ドル。
ユーロドルは17日安値1.1703ドルや日足一目均衡表・基準線1.1648ドル。
(金)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
