13日の日経平均は続伸。終値は218円高の51281円。まちまちの米国株を受けて小安く始まるも、下押し圧力は限定的。寄与度の大きいソフトバンクグループが大きく売られた一方でプライム全体では値上がり銘柄が多く、安値は早い時間につけた。開始1時間程度はプラス圏とマイナス圏を行き来したが、半導体株の一角や電線株に強い動きが見られたことから、10時以降はプラス圏で推移する時間が長かった。上げ幅を広げてくるとそれを修正する動きも出てきて1日を通して方向感が定まらなかったものの、終盤にかけては強含み、200円を超える上昇で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆2500億円。業種別では非鉄金属、電気・ガス、証券・商品先物などが上昇した一方、精密機器、情報・通信、金属製品などが下落した。上期が大幅な増収増益となったエムスリーがストップ高。半面、通期の営業利益見通しを下方修正したテルモが大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり952/値下がり604。住友電工やフジクラなど電線株が強く、古河電工は商いを伴って12.2%高。きのうストップ高のSWCCが連日でストップ高となった。アドバンテストやSCREENなど半導体株の一角が大幅上昇。三菱UFJやみずほなどあすに決算発表を控えたメガバンクに資金が向かった。決算を材料にシチズン時計や住友ゴムが急騰。上方修正や自己株取得・消却を発表したデクセリアルズがストップ高となった。
一方、ソフトバンクが連日で3%を超える下落。ファーストリテイリングも下げており、指数寄与度の大きい銘柄が弱かった。大和ハウスは上方修正や増配を発表したものの、2%を超える下落。積水ハウス、住友林業、三井物産など住宅・不動産関連には下落銘柄が多かった。ぴあやLIFULLが決算を受けて急落し、上期の大幅最終減益や中国子会社の清算を発表したニッパツがストップ安比例配分。決算発表の延期を発表したAbalanceが全市場の下落率トップとなった。
日経平均は続伸。スカッとしない上昇ではあったが、きのうに続いてソフトバンクグループの大幅安を冷静に消化した。きょうの終値は51281円。前の週は日経平均が週間で2000円を超える下落となったが、今週はきょうまでで前週末(50276円、11/7)との比較で1000円近く上昇している。そして、ここまで一度も5万円を下回っていない。
決算は今週まででほぼ出そろい、来週は個別の材料が少なくなる。それを踏まえると、あすは上値を追いづらいかもしれない。しかし、大幅安となった翌週にセンチメントが悪化していないことから、売り急ぎも抑制されるだろう。米国ではトランプ大統領がつなぎ予算案に署名しており、政府閉鎖の状態が解消されることが決まった。日本ではTOPIX、米国ではダウ平均が今週最高値を更新している。株式市場を取り巻く環境は悪くないだけに、引け味良く週を終えることができるかに注目したい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
