12日の日経平均は反発。終値は220円高の51063円。米国株はまちまちも、ダウ平均の史上最高値更新を手がかりに寄り付きは3桁の上昇。寄った後はプラス圏とマイナス圏を行き来する不安定な動きが続いた。
上期が大幅増益となり、1:4の株式分割も発表したソフトバンクグループが売り気配スタートとなったほか、米エヌビディアの大幅安を受けて半導体株が弱く、開始直後にはマイナス圏に沈んで下げ幅を300円超に拡大。一方でプライムでは値上がり銘柄がかなり多く、深押ししたところでは買いが入った。前場は2桁の上昇で終えたが、後場は下落からのスタートとなり、再び下げ幅を3桁に広げる場面があった。しかし、ソフトバンクグループや半導体株が値を戻してきたことから、切り返してプラス転換から上げ幅を拡大。200円を超える上昇となって51000円台に乗せ、高値圏で取引を終えた。TOPIXは終日プラス圏で推移しており、終値(3359.33p)で10月31日の3331.83pを上回り、史上最高値を更新している。
東証プライムの売買代金は概算で7兆円。業種別では非鉄金属、医薬品、ゴム製品などが上昇した一方、金属製品、情報・通信、小売などが下落した。上方修正や増配を発表したSWCCが、後場に買いを集めてストップ高。半面、下方修正を発表して前日に派手に下げたKOKUSAI ELECTRICは、売りが止まらずストップ安となった。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1259/値下がり316。証券会社が目標株価を引き上げたフジクラが、AI関連には逆風の中でも4%を超える上昇。3Q決算と併せて1:2の分割を発表したブリヂストンが買いを集めた。上方修正、自社株買い、1:2の株式分割などを発表した住友不動産が急伸。決算では三井E&S、三井金属、三井海洋開発など三井系の動きの良さが目立っており、三井海洋開発はストップ高まで買われる場面があった。延期していた1Q決算発表に関して、11月14日に開示することを発表したニデックが悪材料出尽くし期待から大幅高となった。
一方、ソフトバンクが3%を超える下落となり、下落率が2桁となる場面もあった。東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体株が軟調。三菱重工、川崎重工、IHIの防衛大手3社がそろって下落した。前日決算で強く買われた鹿島やアイスタイルが利益確定売りに押されて大幅安。今期の営業赤字見通しを提示したSUMCOが一時ストップ安となるなど急落した。
日経平均は反発。きょうの日本株におけるバッドシナリオは「ソフトバンクグループが大幅安となり、日経平均もこの影響を大きく受けて大幅安になる」ということであった。先週はソフトバンクグループやアドバンテストが売り込まれて日経平均が週間で2000円を超える下落となっていただけに、そうなるリスクは小さくはなかった。
しかし、ソフトバンクグループが大幅安となり、東京エレクトロンやアドバンテストも売られたにもかかわらず、日経平均は大崩れしなかったどころかプラスで終えた。このことは日本株にとって大きな安心材料となるだろう。AI関連がさえない中でもプライムの値上がり銘柄は1000を超えており、TOPIXは史上最高値を更新している。「AI関連以外でも日本株には買える銘柄が多くある」ことを示唆しているような動きにも見える。
きょうは下げたソフトバンクグループにしても、上期の決算が悪かったわけではない。1:4の分割を発表しており、この先、調整色を強めるようなら実需買いは入りやすい。来週19日には米エヌビディアの決算発表が予定されているが、これを前に日本のAI関連の過熱感が削がれていくのは悪くない動き。エヌビディアが決算で売られたとしても先んじて調整していればダメージが限定的となる可能性があるし、エヌビディアが決算で買われるようなら改めてAI関連を評価する動きが出てくると期待できる。TOPIXの高値更新でこの先はグロース株だけでなくバリュー株にも資金が向かいやすくなるだろう。物色に広がりが出てきて全体の底上げが進む展開に期待したい。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
