7日の日経平均は大幅反落。終値は607円安の50276円。米国株安を受けて300円超下げて始まると、ソフトバンクグループやアドバンテストなど大型グロース株が強く売られ、前場のうちに下げ幅を4桁に拡大。この2銘柄のマイナス影響がかなり大きかったが、人気どころの銘柄も大きく売られたことで前場は下値模索が続いた。
後場に入り、1200円超下げて49600円台に入ったところで売りが一巡。安値圏でしばらく揉んだ後、14時にフジクラが上方修正を発表したことが刺激となり、5万円台を回復した。フジクラの好反応は一時的にとどまったものの、引けにかけては急速に下げ幅を縮小。600円を超える下落となったものの、5万円は上回り、後場の高値圏で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で6兆9900億円。業種別ではサービス、海運、鉄鋼などが上昇した一方、非鉄金属、電気機器、機械などが下落した。通期の経常利益見通しを引き上げたマツダが後場急伸。半面、下方修正を発表した日本ケミコンが急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり874/値下がり682と値上がりの方が多かった。上方修正を発表したリクルートが軟調相場の中で買いを集めて16.1%高。半導体関連は大きく下げるものも多かったが、キオクシアやソシオネクストはプラスで終えた。本決算を発表したF&LCはいったん大きく売られたものの、切り返して4%近い上昇。大きな動きが出てくる中で商いも膨らんだ。業績修正を発表したキッコーマンは営業利益は下方修正、純利益は上方修正となったが、純利益の上方修正に好反応を示して11.2%高と値を飛ばした。
一方、ソフトバンクグループが6.9%安、アドバンテストが5.5%安となり、この2銘柄で日経平均を約633円押し下げた。決算発表直後にはプラス圏に浮上する場面もあったフジクラは、売り直されて5%を超える下落。売買代金は全市場でトップとなった。同業の古河電工や住友電工も大幅安。地合いが悪い中で決算反応が厳しめとなった銘柄が多く、上期が市場の期待に届かなかった味の素がストップ安。ロームや太陽誘電は上方修正を発表しても叩き売られており、太陽誘電はストップ安となった。
日経平均は大幅安。ただ、5日と似たような動きで、場中に下を試しながらも終盤には下げ幅を縮め、終値では5万円を上回った。AI関連の風向きが悪くなっていることは鮮明だが、売りの方も恐る恐るとなっている。
来週は、「それでもAI関連」なのか、「脱AI関連」の動きが出てくるのかが一つの注目点となる。ソフトバンクグループとアドバンテストに振り回される状態が続くのは健全とは言えないだけに、日本株の安定のためにはバトンを受け継ぐテーマやセクターが出てきてほしいところだ。同観点からは、金融株に注意を払っておきたい。高市政権誕生で日銀の早期利上げが後退している点は向かい風ではあるが、地銀株などを見ると今年の高値圏で推移している銘柄が少なくない。来週は前半に地銀株の決算がいくつかあり、後半にはメガバンクの決算が控えている。銀行株はバリュー株の代表格と言えるが、大型グロース株に手がけづらさが出てきた際にバリュー株が存在感を出してくるようなら、日本株全体では上向きの基調がまだ続くとの見方が強まるだろう。
【来週の見通し】
不安定か。日経平均は10月最終週に3000円を超える上昇、11月第1週に2000円を超える下落となっており、強弱感が交錯するだろう。国内では引き続き決算発表が多く、11日に予定されているソフトバンクグループの決算が中でも注目される。この銘柄の値動きが週の方向性にも大きな影響を与える可能性がある。世界的にAI関連銘柄の上昇に一服感が出てきていることは気がかりだが、仮にAI関連が買いづらくなったとしても、決算を材料に強く買われる銘柄は多く出てくると思われる。AI関連にしても、ある程度値幅の調整は進んでいる。指数の振れ幅の大きさはある程度許容され、楽観にも悲観にも傾かず方向感が定まらない週になると予想する。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
