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【見通し】ロンドン為替見通し=リスク回避の動き継続か、NY連銀総裁の講演に注目

本日のロンドン為替市場では、昨日の米雇用データ悪化を背景に進んだリスク回避の動きが継続するかを見極めたい。6日のNY朝に発表された10月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が、この月としては2003年以来の高水準を記録した。これを受け、一昨日までの労働市場に対する楽観的な見方が急速に後退している。米政府機関の一部閉鎖により、市場が重要視する米雇用統計も発表されないため、昨日からのセンチメントは反転しにくいだろう。

 本日の欧州午後には、ナーゲル独連銀総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁、またエルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事の講演が予定されている。ただし、これらよりも市場の注目を集めるのは、欧州前半にフランクフルトのECBカンファレンスで行われるウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の講演。

 ドイツの大学イベントに参加したNY連銀総裁は昨日、米連邦準備理事会(FRB)が独立性を維持していることを強調。同総裁は、短期的な政治的圧力に屈することなくインフレを抑制できるとの考えを示した。先月前半にウィリアムズ氏は、FRBの緩和姿勢を支持しつつも、「雇用減速に注意が必要」とも述べている。大企業を中心に人員削減のニュースが目立っており、米連邦公開市場委員会(FOMC)の重要メンバーであるNY連銀総裁の見解が注視される。

 ロンドン市場の終盤には、英中銀のチーフエコノミストでもあるピル金融政策委員会(MPC)委員の講演が予定されている。昨日は英中銀が政策金利を4.00%で据え置いたことを発表。据え置きは予想通りだったが、MPC委員9人中の4人が25ベーシスポイントの利下げを主張した。次回12月会合に対する利下げ観測が高まるなか、金利引き下げに慎重な姿勢を示し続けているピルMPC委員の見解は市場の関心を集めそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1614ドル
・ポンドドル、10月30日高値1.3219ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、5日安値1.1469ドル
・ポンドドル、4・5日安値1.3010ドル


(小針)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ