本日のNY為替市場のドル円は、米政府機関閉鎖に関するヘッドラインに警戒しながら、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演や9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数などを見極めていく展開となる。
昨年までのバイデン米政権の時は、本邦通貨当局のドル売り・円買い介入に対して、
米財務省は「外国為替報告書」でドル高・円安を牽制しつつも、イエレン米財務長官は否定的だった。
しかし、トランプ米政権では、日米の財務省がドル高・円安への懸念を表明していることで、さらなる口先介入やドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
ハト派で次期FRB議長候補のボウマンFRB副議長の講演では、先日のパウエルFRB議長のややタカ派的な見解「12月会合での追加利下げは既定路線(foregone conclusion)ではない」に対する見解に注目しておきたい。
また、9月の数字ではあるものの、9月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:719.8万件)のネガティブサプライズには警戒しておきたい。
米政府機関の閉鎖は本日で35日目となり、トランプ第1次政権で記録した最長記録35日に並んだ。財務省によると経済的な損失は1週間で150億ドルとのことで、これまで750億ドル程度となっている。
本日も米政府機関の閉鎖が解除される可能性に関する報道には注視しておきたい。
また、ドル円の154円台は、昨年4月にトランプ氏が「米国の製造業にとって大惨事だ」と言及した水準であり、トランプ米大統領が改めて円安への懸念を表明する可能性にも警戒しておきたい。
米財務省は10月28日に日米財務相会談に関して「健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待の安定維持と為替レートの過剰な変動を防ぐ上で重要な役割を果たすことを強調した」との声明を発表した。
そして、片山財務相は10月31日の記者会見で、外国為替市場で1ドル=154円台をつけたことについて「投機的な動向を含め、為替市場の過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感を持って見極めている」と円安を牽制する発言を行っている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値目処(めど)は、154.80円(2/12高値)
・想定レンジ下限
ドル円の下値目処(めど)は、153.00円(日足一目均衡表・転換線)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
