30日の日経平均は小幅続伸。終値は17円高の51325円。10月FOMCでは大方の予想通り0.25%の利下げが決まったが、パウエルFRB議長は会見で次回会合では利下げを行わない可能性があると言及。29日の米国ではダウ平均とS&P500が下落した。
これらを受けて下げて始まるも、場中はプラス圏とマイナス圏を行き来する不安定な動きが続いた。レーザーテックなど半導体株の一角に買いが入った一方、ソフトバンクグループやファーストリテイリングが強めに売られており、大型株の値動きに指数も翻弄された。
昼休みには日銀から金融政策の現状維持が発表された。ノーサプライズかと思われたが、発表後にドル円が円安に振れ、先物も水準を切り上げたことから、後場のスタート時には上を試しにいった。ただ、上げ幅を300円超に広げて51600円台に乗せた後に300円超下げて51000円を割り込むなど、前場同様に方向感が定まらない展開。小幅な下落でクロージングオークションに突入し、終値ではプラスを確保した。
東証プライムの売買代金は概算で10兆0300億円と高水準。業種別では非鉄金属、鉱業、電気・ガスなどが上昇した一方、陸運、空運、情報・通信などが下落した。上方修正や増配を発表したトーメンデバイスが、後場に買いを集めてストップ高。半面、JR東海は通期見通しを上方修正したものの、リニア新幹線の総工事費が増加する見込みになったとの発表が嫌気されて大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1127/値下がり432と、日経平均は小動きも値上がり銘柄は多かった。SCREENやキオクシアなど半導体関連の一角が強く、レーザーテックがストップ高。上方修正や米企業の買収を発表したNECが急騰し、同業の富士通や日立などにも資金が向かった。TOB関連のニュースで住友理工が急騰して住友電設がストップ高となっており、これらの親会社である住友電工も大幅高となった。
一方、ソフトバンクグループが3%を超える下落。決算を受けてディスコ、キーエンス、カプコンなどが大幅安となった。前日に決算で売られたコマツが連日の大幅安。直近で騰勢を強めていたアウンコンサルティングが、ストップ高をつけた後に急失速してストップ安で終えるなど乱高下した。
日経平均は続伸。株価ボードから少し目を離すとプラスとマイナスが入れ替わっているといったような慌ただしい1日であった。ただ、終わってみればほぼ横ばい。FOMC、日銀会合ともに今回の決定に対する織り込みが進んでいただけに、強気にも弱気にも傾きづらかった。
本日、米国の引け後にはアップルが決算発表を予定している。同社の決算は日本の電子部品株を刺激することもあるだけに、時間外の反応が大きく注目される。東京市場は来週月曜が休場で、あすは三連休前となる。週末と月末も重なるだけに目先の利益を確定させる動きは出やすいが、最近の日経平均は週初に大きく上げることも多いだけに、市場の空白に対する警戒は高まらないだろう。あすの引け後には東京エレクトロンやレーザーテックの決算発表が予定されており、三連休明けも注目企業の決算発表が目白押し。下押し圧力が限られるようなら、売り方の投げの方が急がれて週末一段高の展開も期待できる。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
