27日の日経平均は大幅続伸。終値は1212円高の50512円。先週末の米国では、市場予想を下回る9月消費者物価指数を受けて、3指数がそろって史上最高値を更新。これを好感して寄り付きから600円を超える上昇となった。
開始早々に節目の5万円を上回ると、早い時間に上げ幅を4桁に拡大。半導体株や防衛関連など主力銘柄の多くが強く買われる中、全体でも値上がり銘柄が多く、売り手不在の様相が強まった。前場で大きく水準を切り上げると、後場は値動きが落ち着いた。それでも終盤にかけてはもうひと伸びがあり、50500円台に到達。1200円を超える上昇となり、高値圏で終了した。
東証プライムの売買代金は概算で6兆1100億円。業種別では全業種がプラスとなっており、非鉄金属、精密機器、証券・商品先物などが大幅上昇。不動産、サービス、化学などは小幅な上昇にとどまった。ウクライナで遠隔施工の実証デモンストレーションを実施したと発表したソリトンシステムズが急騰。半面、開発中の抗がん剤候補化合物に関して、新薬承認・上市の目標時期を変更すると発表したキャンバスが急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1418/値下がり166。半導体株が全般強く、アドバンテストが6%を超える上昇。キオクシアが11.7%高と値を飛ばし、1万円の大台に迫る場面があった。ほか主力どころでは、ソフトバンクG、フジクラ、川崎重工、JX金属などが急伸。足元で振れ幅が大きくなっている東洋エンジニアが商いを伴って15.4%高と急騰した。株高を受けて野村HDや大和証券Gなど証券株が軒並み高。ステーブルコイン関連の物色が盛り上がっており、アステリアやインタートレードがストップ高となった。
一方、決算が失望を誘った信越化学が3%を超える下落。前営業日に決算を材料に急騰したKOAが利益確定売りに押された。代表取締役による株式売却が嫌気されたプロパティテクノロジーズが急落。公募・売り出しを発表した霞ヶ関キャピタルがストップ安となった。
日経平均は大幅高。10月は6日が2175円高、14日が1241円安、20日が1603円高と、週初に4桁の値動きとなる傾向が続いているが、今週も週初から大きく水準を変えてきた。全面高となったことや、終値(50512円)で5万円を大きく上回ったことなどは、先高期待を高める。
あす28日は日米首脳会談が予定されており、米国ではFOMCが開催される。きょうの上昇はある程度期待を先取りしているかもしれないが、29日からは日銀会合が開催されるほか、足元では決算発表も多くなっており、株式市場を刺激しそうな材料には事欠かない。上述の通り10月は週初に派手に動いているが、4桁高スタートとなった6日や20日の週は週間でも4桁の上昇となっている。5万円を通過点として、さらに上値を追うことができるかに注目したい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
