17日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は695円安の47582円。米国株安を受けて、寄り付きから400円を超える下落。米国では信用不安から地銀株が急落しており、金融株が下げを先導した。500円超下げたところでいったん切り返したが、売り直されて400円を超える下落で前場を終了。後場は開始早々に大きく水準を切り下げると、以降は下値模索が続いた。ドル円が150円を割り込むなど円高進行も重荷となる中、終盤にかけては一時下げ幅を700円超に拡大。47400円台に突入する場面もあり、安値圏で取引を終えた。リスク回避ムードが強まる中、グロース250指数が2.9%安と大きな下げとなった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆0900億円。業種別ではその他製品、食料品、水産・農林などが上昇した一方、保険、銀行、証券・商品先物などが下落した。上期の業績および配当見通しを引き上げたツガミが後場急伸。半面、下方修正を発表した東京製鉄が後場に入って大きく値を崩した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり433/値下がり1131。「スイッチ」の生産台数に関する観測記事を手がかりに任天堂が逆行高。今週決算を受けて強く買われたイオンが一段高となって上場来高値を更新した。雪印メグミルクや明治HDなど食品株が全般堅調。証券会社が目標株価を引き上げた三井E&Sが急伸し、ストップ高をつける場面もあった。
一方、ソフトバンクGが3%を超える下落。アドバンテストやディスコなど半導体株に大きく下げる銘柄が散見された。三菱UFJ、みずほFG、東京海上、第一生命など金融株が軒並み大幅安。株安を受けて野村HDや大和証券Gなど証券株も弱かった。リリースのあったサンバイオが、買い気配スタートから急失速して10.3%安と乱高下した。
日経平均は大幅安。後場に下げ幅を広げたが、前日の上げ分(605円高)を消失した程度にとどまり、パニック的な売られ方にはならなかった。とは言え、信用リスクが強く意識されると株式から資金を逃避させる動きが出てくる可能性があるだけに、米地銀株の下げが一時的なものか長引く話になるのかは注意深くウォッチしておく必要がある。きょうは取引時間中にも円高が進行した。現状では「高市トレード」で進んだ円安が修正された程度だが、ここからさらに円高が進んでしまうと、今の環境では「リスクオフの円高」というイメージが強くなる。円高にブレーキがかかるかどうかにも注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
不安定か。国内は21日に首相指名選挙が行われる予定。新首相が決まれば改めて政策期待が高まる展開も期待できるが、石破首相が自民党総裁辞任を表明して以降、日本株は大きく水準を切り上げているだけに、いったん利益確定の動きが出てくる可能性もある。国内は小売などの決算が一巡して材料難となり、先に決算発表を控える多くの銘柄は手がけづらくなる。海外要因に振らされやすくなると思われるが、米国では決算発表が本格化することで個別株や指数のボラティリティが高まりやすく、地銀株が急落するなどきな臭い動きも出てきている。好材料にも悪材料にも反応が大きくなりそうで、方向感が定まらないと予想する。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
